戸建住宅リノベーション階段の位置変更と構造〜跳ね出し階段とベンチ・シンプルな木の跳ねだし階段・てこの原理〜|練馬の家12・東京の建築設計

前回は「リノベーション設計デザインと構造の架け橋〜梁のデザイン・既存軸組を活かす設計・模型でデザインを詳細に検討〜」の話でした。

目次

戸建住宅リノベーション階段の位置変更と構造

練馬の家:階段工事(新建築紀行)

いよいよ階段の工事です。

依頼者

階段が使いずらいので、
位置を変更して欲しい。

建主のご要望で、階段の位置を変更しました。

階段の位置を変更するためには、一部の梁を切断し、補強する必要があります。

階段の部分には、梁があると頭を打ってしまいます。

住宅の階段の幅は半間(910mm)で納まります。

そこで、新しい階段をつける部分の上階の梁を一部切断して、補強すれば大丈夫です。

Yoshitaka Uchino

切断する梁のスパンが長い場合は、
難しい場合があります。

階段の位置変更がご希望でしたら、建築家か工務店の方に、よく検討してもらうようにしましょう。

新たな階段の部分の構造補強が容易であることが予想できましたので、建主のご要望通りの位置に変更しました。

跳ね出し階段とベンチ

練馬の家:模型(新建築紀行)

1階に広いリビングを配置して、玄関とリビングの間の廊下をなくして、広々とした開放感をもたらしています。

また、玄関周辺を出来るだけ広くするために、設計上の工夫をして階段を一部跳ね出しにしました。

300mmほど、階段を跳ね出して、下の方には玄関で靴を履く際のベンチを作りました。

練馬の家:階段・玄関
Mana Muraki

「玄関と階段が一体化して、空間を有効活用できる」
というコンセプトです。

シンプルな木の跳ねだし階段:てこの原理

練馬の家:階段(新建築紀行)

跳ねだし階段の段板は、鉄骨で補強する方法もあります。

Yoshitaka Uchino

今回は、
全て木材で作りたい。

「てこの原理」を応用して、全て木材でつくりました。

設計中から工務店の担当者と綿密に打ち合わせし、工事中は大工さんのアドバイスもお聞きしながら、つくりました。

さらに、跳ねだした階段の下部を有効活用できるように洗面室側に小さな箱状の収納をつくりました。

箱階段と同じ考え方です。

階段工事(新建築紀行)

リビング側から見た写真です。

腕のいい大工さんが時間をかけて、丁寧につくってくれました。

Mana Muraki

跳ね出した階段が、
綺麗に出来ました。

僕たち設計者は一生懸命デザインを考えて、設計図書を作成します。

Yoshitaka Uchino

工事現場で、実際につくってくれる
大工さんの力量や熱意が大事です。

玄関が少し広くなって、空間を立体的に構成しました。

次回は、梁の塗装工事です。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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