前回は「木造戸建住宅の工事の流れ〜膨らむ設計イメージ・石膏ボードの施工と内部空間の表出・内部壁面下地工事・建築基準法と工法と仕様〜」の話でした。
無垢フローリング床材工事
壁のプラスターボードの下地工事がひと段落したら、床材を貼ってゆきます。
茨城の家は、ナラ無垢材のフローリングです。
厚さ15mmの
手触りが優しい無垢材です。
一般的に使われる床材は「複合板」と呼ばれていて、合板にシートが貼られた製品です。
複合板は安価で施工しやすいので、特に賃貸マンションや建売住宅などで使われています。
合板の上に、厚さ1〜2mmの薄い無垢材を貼った「半無垢材」のようなフローリングもあります。
手間がかかる無垢材の施工:多様性ある自然素材
複合板は幅303mm程度のフローリングが多いですが、無垢フローリングは多くの場合、幅90〜150mm程度です。
そして、「無垢材」なので、一枚ずつバラバラです。
メーカーでキッチリと切って現場に搬入されますが、無垢材ゆえ多少曲がったり、反っているしている材料もあります。
多少でも「曲がっている」や「反っている」のは、建材としては困りますが、自然の木ならではです。
人の手で作るタイル・スチールなどの材料と比較して、自然の材料は、それだけ多様性があります。
「木は生きている」
のですね。
自然の材料は、人工の材料と比較すると、手に馴染んで非常に優しい感じがあります。
その「優しさ」は、施工する際の難しさにもなりますが、
やっぱり、
自然の材料を出来るだけ使いたいですね。
複合板の場合は、慣れた職人さんならどんどん貼って行けます。
無垢材の場合は、反りやあばれを小さくするために、端材を小さくする必要があります。
現場で職人さんたちがピーンと糸を貼って、一枚ずつ「どのように貼ってゆくか」を事前にきちんと検討します。
一枚ずつ丁寧に貼って、貼ってはトンカチでコンコンと叩いて、キッチリ施工してゆきます。
複合板の施工に比べて、はるかに手間がかかる作業です。
職人さんたちの
腕の見せ所です。
熟練の大工さんによって、一枚一枚丁寧に無垢フローリングが施工されてゆきます。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。