前回は「木造戸建住宅の工事の流れ〜デザインコンセプトと大事な配管計画・配管工事・管の勾配と太さ・給水管と排水管〜」の話でした。
床の下地工事
外壁の下地工事・サッシュ工事・防水工事・配管工事等が、一段落しました。
このあたりで、工事現場も「一段落」の雰囲気になります。
それは、「外部から雨などの侵入がない」状況となるからです。
人体で例えると「血管」などに相当する、大事な「配管などの設備系統」にも大きな配慮があります。
これらの「後に問題が発生すると、補修が難しい」工事が完了すると、
よし!
ここからは、内部の仕上げだ!
と、現場監督のテンションも少し改まる感じになります。
そして、いよいよ床の下地工事が始まります。
人や様々なモノを支える床工事
内部は、「床・(内)壁・天井」から構成されますが、最も大事なのは床です。
床には、人や物などのたくさんの荷重がかかるため、「しっかり作る」必要があります。
1階には、下地の合板が敷かれています。
最近は、床の下地はネダレス合板という28mm程度の厚い合板を貼ります。
昔は「根太」という細い木材を、均等に貼って下地としました。
茨城の家は、昔ながらの「根太を設置する工事」で下地を組みました。
これは、「15年以上前に完成したこと」と地域性もあるでしょう。
2階の床の根太が303mm(910mm/3)のピッチで綺麗に、整然と施工されてゆきます。
大工さんたちが手慣れた手つきで、次々に根太を設置してゆきます。
整然と並ぶ根太:均等配置の木材が生み出す空間の秩序
工事する際、1階は良いのですが、2階以上は落下の危険性があります。
根太と根太の間が「結構空いている」ためです。
施工性と危険防止のために、最近では根太レス合板をボンと貼ってしまいます。
根太(ネダ)が不要(レス)なので、
「ネダレス合板」と言います。
工事現場の職人さんたちの安全性は非常に大事です。
僕たち設計者が現場監理する際も、安全な方が良いです。
ネダレス合板を使用することは、
非常に合理的ですね。
また、ネダレス合板を設置することで床の強さ(剛性)が高まります。
そして、耐震性アップというメリットもあります。
今ではほとんど見なくなった床下地の根太設置工事。
整然と並ぶ根太・木材は、見ていて美しいくらいです。
木造建築らしいな、
と思います。
次回は、足場設置工事です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。