前回は「商業施設の新築設計・デザイン 2〜デザインコンセプト・簡単な模型やCGで屋根勾配をシミュレーション・木の柱と梁のデザインが際立った空間・周辺環境に馴染む景観〜」の話でした。
多角的に検討してわかること:練馬の家の設計
練馬の家では、リビングをメインに様々な検討をしました。
リビングを1階と2階の案で考え、1階にする案でまとまりました。
一つ目の理由としては、1階の場合、露出する柱が少ないという点です。
唯一柱が出来てくるところは、収納があった場所です。
建主からは、「2階にリビングを」という希望を設計当初に頂いていました。
ところが、「2階リビング案」はリビングに多数の柱が露出することが問題点でした。
多角的に検討した結果、私たちが提案した「1階リビング案」を建主に了承頂きました。
柱を机や本棚と
一体化させるデザインにしよう。
工夫することで違和感なく、アイデアを具現化する空間になりました。
柱が机を支えるという役割もして、
合理的ですね。
建主の希望と設計の様々な工夫:アウトドアリビングのテラス
「1階リビング案」には、他にも良い面がありました。
もう一つの理由としては、テラスと一体化させたリビングに出来るという点です。
以前は、2階にベランダがありました。
ベランダがあると、
1階に光が入りにくいですね。
ベランダの影で、庭が少し、
暗がりになっていたけど、工夫できないかな・・・
そうだ!ベランダを外して、
1階の庭にテラスをつくろう!
こう考えて、1階のリビングに隣接して木製のテラスを作りました。
子どもたちと一緒に
楽しんでほしいな・・・
こんなふうに、アイデアを考えてゆきます。
「アウトドアリビング」という表現があります。
テラスとリビングをつなげて外と中を一体となった空間として使えます。
広々とした場所として活用してもらいたい、と思い提案しました。
リビングが、家族みんなで
楽しく過ごす場となって欲しい。
そのような思いから、設計を検討しました。
テラスとリビングの段差を抑え、アクセスし易いつくりとしました。
引き戸を開ければ開放的なリビングになります。
子どもの遊び場など
アクティブな場所となるといいですね。
完成後、建主からは、
最初は、2階リビングと
お願いしていだけど・・・
1階を
リビングにしてよかった!
との声をいただき、とても嬉しかったです。
建主の思いを尊重しながら、より良い案を提案できたプロジェクトになったと思います。
ご要望通りに設計するだけではなく、
もっといいアイデアを
考えてみよう!
と思考を巡らせながら、デザインを考えて設計をしています。
完成写真は、下記からご覧ください。