前回は「地中海の美しい島々 10〜みんなの公共空間・「広場で皆で集う」文化・街中の可愛い子猫が映える空間・ミコノス島・ギリシャ〜」の話でした。
楽しい路地空間
ミコノス島の楽しい路地空間が続きます。
どんよりした空に、岩肌が多い山が続きます。
こうしてみると、日本の山々が
自然の緑に覆われていることを改めて感じます。
日本の樹木とヨーロッパの樹木:東京大学の計画地と樹木
かつて、日本が明治維新の際に学問が遥かに進んでいたヨーロッパから多数の先生をお招きしました。
建築もまた、先進国英国からジョサイア・コンドルを招聘し、工部大学校(東京大学工学部)で教えてもらいました。
東京大学の本郷キャンパスの前身は、加賀100万石の前田藩の上屋敷です。
実は、東大の本郷キャンパスは、当初上野公園周辺に計画されていました。
上野あたりの樹木を伐採すれば、
ちょうど大きな学校がつくれそうだ・・・
これに対して、英国からきたコンドルたちは、
あなた方は、
あのUenoの樹木を伐採してしまうつもりですか?
まあ、放っておけば、
樹木はまた勝手に成長するから・・・
実際、気候温暖な日本においては、樹木はそれほど大事な存在ではなかったのです。
これを聞いた、コンドルたちは、
No!No!
樹木はもっと大事にしてください!
Uenoのあの森は、
公園などにして、活かすべきです!
わ、分かりました・・・
日本よりも遥かに緯度が高い英国では、樹木を成長させるのが大変です。
「貴重な大きな樹木を大事にする」精神を持っていた英国の招聘教官たち。
この方達の反対がなければ、現代の上野公園はなくなっていたかもしれません。
大学も大事ですが、
それは、近くの屋敷跡が良いでしょう!
この意見によって、「上野近くの大きな屋敷」であった「100万石の前田家」の上屋敷が選ばれました。
そして、工部大学校となり、現在の東京大学本郷キャンパスに至ります。
淡いホワイトの壁面
路地の白い壁も、風情があってなんとも言えない、いい味を出しています。
真っ白ではなく、「淡いホワイト」という感じですね。
黒に近い茶色の床石に、白い壁が映えます。
路地を抜けて、少し広い場所に出てきました。
「広場」というほどではありませんが、伸び伸びしています。
人が歩くスケールで考えると「小さな広場」とも言える解放感ある空間です。
少し上を見てみると、段状に建物が連なっているのが分かります。
日本でも長崎などは、こういう「傾斜した土地に段状に建物が並ぶ光景が見えます。
肌色やオレンジに近い色もありますが、基本的に白で統一されていて、街並が整っています。
整然として、
とても美しいですね。
次回は上記リンクです。