地中海の美しい島々 10〜みんなの公共空間・「広場で皆で集う」文化・ミコノス島・ギリシャ〜|東京の建築設計から

前回は「地中海の美しい島々 9」の話でした。

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街中の子猫

ミコノス島(新建築紀行)

楽しみながら歩いていると、子猫に出会いました。

ちょこんと座っている、かわいい子猫。

「ギリシャならでは」で、
映画のワンシーンのようです

ミコノス島(新建築紀行)

また少し急で長い階段空間が出てきました。

木製手すりが少し傷んでいます。

これでは、手すりとしての機能にいまひとつ不安を感じます。

「ちょっと傷んでいてもOK」みたいなギリシャらしい大らかな感じが、とても良いです。

日本の街では、考えられないルーズな感じですが、それもまたヨーロッパらしさの一つと感じます。

ミコノス島(新建築紀行)

みんなの公共空間

上陸した時は雨がパラパラしていましたが、曇りになってだいぶ落ち着いてきました。

色々なものが無造作に放置されている感じが、また「不思議な大らかさ」を感じさせます。

先ほどの狭い道空間にしても、この無造作な感じにしても、

「みんなの公共の空間だから、
お互いうまく使いながら、楽しく」という雰囲気です。

そういう大らかさもまた、
「公共性が発達した」ヨーロッパならではです。

ミコノス島(新建築紀行)

両側を高い建物に囲まれた、細長い階段空間です。まるで谷のようです。

いくつかドアがありますが、ドアを開いたら、歩いている人に当たってしまいそうです。

当たったら結構痛そうですが、

そういうことも、
あまり気にしない「大らかさ」・・・

これこそが、
ギリシャらしい公共空間に対する考え方です。

日本には、西欧的な広場は近代までありませんでした。

神社の境内などが「広場的」空間でしたが、囲われた西欧的広場は、近代以降の都市空間や建築で具現化されています。

「広場で皆で集う」文化が長年育まれてきた西欧。

そこでは「公共空間に対する高い意識」があって、公共空間をうまく共有して使う文化・慣習があると思います。

そういう文化・慣習があるからこそ、
この狭い道空間が成り立つのだろう。

と思いを巡らしながら、ギリシャの街並を楽しみました。

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