前回は「自然光の光と住まい・自然の光のうつろい・木のテラス〜あたたかな住まい・豊島の家〜」の話でした。
住宅とカーポート
今回は、カーポートの話です。
駐車場を作る時、
まずは、家を作って、
後でカーポートをつけよう
と考える方も多いと思います。
シンプルなデザインや、おしゃれなデザインのカーポートがありますが、私たちは建築と合わせて考えています。
外観の一部として、建築と一体化させて
デザインすることを考えています。
熊本の家では「白い箱」という外観と一体化したカーポートをデザインしました。
白い箱に、白い板が
浮かんでいるイメージです。
屋根となる部分はガルバリウム鋼板を貼りました。
そして、壁と軒天(天井の部分)を、外壁と全く同じ材料で仕上げました。
建築とカーポートが一体となったイメージ
「白」という色の統一感が出て、
洗練されたデザインを目指しました。
「白い板」が「浮いた雰囲気」を出すために、出来るだけ柱を細くしたいと考えました。
この屋根は上に何も乗る予定がないので、荷重(重量)は小さく抑えられます。
地震が発生した際にも、頑丈でなければなりません。
また、台風などの時の強い風による風圧に対しても強くなければなりません。
カーポートの屋根を建築と一体化させて、
合理的な構造を考えました。
そして、構造設計者に詳細に検討してもらい、カーポートと住宅の構造と一体化しました。
そして、細い鉄柱で支える構造になりました。
一体化したカーポートにより、
ドッシリした箱のデザインに浮遊感をもたらしています。
機能的なカーポート
カーポートを建築と一体化させるデザインを考えたときに、機能性も考慮しました。
玄関とカーポートが隣り合っているので、すぐに駐車場にアクセスできます。
雨の日でも、濡れずに玄関と駐車場を行ったり来たりできます。
そのため、自動車への荷物の出し入れもしやすいです。
生活の利便性を
考慮しました。
また、旅行の際など、
たくさん荷物がある時も楽ですね。
さらにカーポートと、玄関庇を兼ねたテラスの跳ね出し部分を平面的に重ねました。
雨の日でも濡れずに、玄関と自動車を行き来できます。
雨の日に、小さい子どもが一緒の場合には安心して、
ここを歩いたら、
雨に濡れないよ。
うん。
ここを通ればいいんだね!
と子どもたちも楽しく玄関に向かえます。
大きな荷物がある時も、楽に素早く自動車との間を往復できます。
建築とカーポートが一体となった「新たな風景」を、街に生み出したいと考えました。
白い箱・浮遊した白い板が、既存の街並・都市景観に新たな風景を加えるイメージです。
そして、この白い箱・白い板が切り取る青空が、さらに印象付けられることを意図しました。
「自然をいつも感じてほしい」という
イメージで設計しました。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記からご覧ください。