前回は「アイデア:道空間~道空間と広場・立体街路・石神井公園の集合住宅~」の話でした。
視線の交錯と道空間
今回は、本棚の柱における、道空間の話です。
本棚の柱において、本棚を柱に見立てて空間をつくりました。
そして、視線の交錯によって風景が変わることを意図しました。
本棚と本棚の間のスリット状の隙間によって、キッチンとリビングが緩やかにつながります。
キッチンは丸見えに
しない方が良いです・・・
本がたくさんあるので、
本棚を多く作って欲しいです。
建主の要望から「本棚の柱」をつくり、キッチンとリビングの空間を柔らかく分節しました。
空間に動きをもたらす:動的空間
本棚の柱のレイアウトは、様々な案を検討しました。
直線上の配置、円弧状の配置、あるいは楕円形状の配置などを考えました。
最終的に、「分割した本棚=本棚の柱」を円弧状に配置するデザインにしました。
二種類の本棚の柱を円弧状に交互に並べ、空間に動きをもたらしました。
LDKの内部空間に
「動きをつくりたい」と考えました。
円弧状の本棚に沿うようにして、リビングからキッチンへ移動するとき。
その時、直線では感じられない「空間の動き」が生まれます。
本棚の配置を円弧状にして、中心をつくり、柱全体で照明器具のようになる事を意図しました。
円弧状の本棚に沿って動くことで、空間に変化を与えることを考えました。
本棚で本を探すとき、或いはリビングからキッチンへと本棚の前を通って向かう時。
そういう時に、円弧に配置された本棚のルートに沿って動きます。
その時、この本棚の周辺には「見えない道空間」が出来ます。
「見えない道空間」は
曖昧な空間です。
「キッチンとリビングで一体となった空間」という建主の御要望に対し、本棚の柱をルーバーに見立てました。
その広場の様な空間のLDKに、道空間を創り出すことを目論みました。
このように多義的な空間を創り出すことは、日々の生活にふくらみを与えます。
そして、
空間に無限の広がりを与えると考えます。
竣工写真は、下記からご覧ください。
次回は上記リンクです。