アイデア:多様なる共生〜街並・都市空間・新たな楔・自分だけの空・都市の空・熊本の家〜|東京の建築設計から

前回は「アイデア:多様なる共生〜内的コンセプト・外的コンセプト・ヴォイドの光・反転・茨城の家〜」の話でした。

目次

周囲の街並と都市空間

熊本の家:夜景

今回は、熊本の家における多様なる共生の話です。

戸建住宅を創り出す時、周囲の街並にどのように調和するか、溶け込むか、を考えています。

コンセプトある住宅を創るとき、周囲の家々とは異なったデザインとなります。

それは周囲の街のコンテクストへ、新たな楔を打ち込むようでもあります。

それでもなお、周囲から浮くことなく、街並の一つとして佇んで欲しいと考えます。

熊本の家:外観

建築の空間構成と都市

熊本の家:庭

「熊本の家」では、内部の吹抜と2階の外部テラスの空間構成と都市・街並の関係を考えました。

立方体の白い箱に、テラスがヴォイドとして貫入するデザイン。

Yoshitaka Uchino

それが風景の一つとなった時、
どのようになるかをイメージしました。

白い箱が街並から浮くことなく、その個性を際だたせながらも調和・共生するイメージを意図しました。

依頼者

「2台分のガレージ」を
計画してください。

この建主の要望に対し、ガレージの屋根をメインボリュームの白い箱と一体として設計しました。

白い箱に対して、薄い白い板が浮遊しているイメージです。

熊本の家:コンセプト模型

このイメージを形にするために、ガレージ屋根は端部を本体と接続しました。

そして、本の細い鉄柱で支え、屋根が跳ね出す構成としました。

「自分だけの空」と「都市の空」

熊本の家:テラス

白い直方体の隙間からは、住まい手は1階リビングや2階のテラスから「自分だけの空」を臨むことが出来ます。

この「縁取られた空」を風景・街並の一つとして活かしました。

熊本の家:外観(新建築紀行)

住まい手が楽しむ「自分だけの空」は、街の人々も楽しめる「都市の空」へと転化します。

そして、新たな「都市の空」は、既存の都市空間に深みを与えてゆくでしょう。

白い箱とヴォイド・浮遊する白い板・縁取られた空の3つのデザイン。

これらのデザインが新たな風景を生み出し、都市へ関わってゆきます。

竣工写真は、下記からご覧ください。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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