前回は「アイデア:道空間~石神井公園の集合住宅・練り歩く体験・建築の余白・道空間の復権~」の話でした。
アイデア:道空間~石神井公園の集合住宅・練り歩く体験・建築の余白・道空間の復権~|東京の建築設計から
街から集合住宅へつながる道空間
目次
建築の有機的ヴォイド
今回は、「有機的ヴォイド」の話です。
Yoshitaka Uchino
間あるいは余白のような空間が、
住空間にふくらみをもたらします。
そこに具体的な役割や機能を持たない、「空のようなイメージ」です。
小さくても、このような余白の空間が、
空間を豊かにすると考えています。
具体的機能のない余白の空間が、リビングルームなどの具体的な役割を持つ空間を彩ります。
「茨城の家」では、リビングにテラスに面した大きな吹抜の他に、二つの小さな吹抜をつくりました。
無の空間
テラスに面する小さな吹抜は、畳一畳分の広さを持つ箱状の空間です。
この空間は、無の空間です。
季節や時刻により、様々な光が差し込んできます。
差し込んでくる光は、吹抜の箱の中で反射し、拡散します。
天気や太陽の位置により、強い直接光が入ってくることがあれば、柔らかな光となることもあります。
二つの小さな吹抜は「自然光を導き入れ、変化させる装置」です。
装置であると同時に吹抜を通して、リビングから空が見えたり、空間が抜けることで
無限の広がり、
無限の奥行感が得られます。
小さな吹抜や余白のような間が、住まいの空間を豊かにすると考えています
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。