前回は「コンセプト模型〜コンセプトを明快な形に〜」の話でした。
建築を考える際、模型は非常に大事です。
コンセプト模型は「大事なコンセプトのみを抽出している」からこそ、その意味があります。
以前は有名建築家の好きな作品の模型を作って、研究していました。
Le Corbusierや安藤忠雄の作品です。
彼らの建築の模型をたくさん作りましたが、非常に勉強になります。
具体的な空間構成・プロポーション・開口に至るまで、

「なるほど」と感じることが、多々あります。


かつて磯崎新設計の「豊の国情報ライブラリー」を訪れた際は、自然の光に大きな衝撃を受けました。
そして、均等グリッドのコンクリート打ち放しの柱・梁が「正方形断面」に感銘を受けました。
この正方形断面に関しては、構造的には非合理的で、少し「無理をしている」構造です。



賛否両論ですが、僕は好きです。


かつて「正方形。我が敵。」とセンセーショナルな表現をした磯崎新。
若い頃から正方形に固執しています。


この「豊の国情報ライブラリー」のグリッド。
彼の「正方形への妄執」が一つの到達点に達したように感じました。



ある種の
気品があります。
均等グリッドは安藤にも多く見られますが、この「崇高なグリッド」に衝撃を受けた僕。
「いつか正方形断面の均等グリッドによるデザインをしたい」と考えました。
その一つが、7年前に完成したForests of Gridsです。





整然としたグリッドが
「最も大事なConcept」でした。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。