前回は「「公園の建築化」のイメージとドローイング〜大きな周辺模型でデザインを深化・広大な公園+電柱がない計画地〜」の話でした。
目次
公園の自然に向かう軸と道空間:最小化の要請が強い共用部

広い公園の目の前に建つ蚕糸の森アパートメント。
広大な公園との間にある歩道が広い道路には電柱がなく、スッキリした街並みです。

この建築のデザインのメインテーマは、自然を取り入れる「公園の建築化」でした。
そして、共用階段を「公園の上空を散歩するような道空間」と考え、上のようなドローイングを描きました。
経済上の要請から、集合住宅においては、共用階段・共用廊下の面積は、出来るだけ小さくする必要があります。

容積率の最高限度で設計された蚕糸の森アパートメントにおいても、共用階段を最小化にしました。
このコンパクトな共用階段は、ダイレクトに公園の自然に向かっています。
このプランによって、公園の自然に向かう軸が生まれ、道空間の特徴が強くなりました。

自然の樹木のサイズを表現したドローイング:枝分かれサイズをシンプルに表現

「公園の自然を建築に取り込む」イメージを膨らませて設計に取り組みました。
そして、設計プロセスにおいて、公園と建築が一体となったドローイングを作成しました。
Yoshitaka Uchino公園の自然の平面図の表現を
工夫して・・・



樹木のサイズが階ごとに異なる
表現を考えました。






その考えた上でのドローイングが、上の各階のドローイングです。
樹木をシンプルな「円形の線の集合」で表現し、上階に上がるにつれて、樹木が広がる表現です。
樹木の広がりは、少し強調して描きました。
このドローイングを作成することで、「自然の樹木と一体になった建築」のイメージを膨らませました。


これらのドローイングと模型を見ながら、設計を発展させてゆき、最終案に辿り着きました。

