「公園の建築化」のイメージとドローイング〜大きな周辺模型でデザインを深化・広大な公園+電柱がない計画地〜|蚕糸の森アパートメント・ドローイング3

前回は「「光と影が織りなす」空間イメージとドローイング〜公園の自然の上を空中散歩するイメージ〜」の話でした。

目次

大きな周辺模型でデザインを深化:広大な公園+電柱がない計画地

New Architectural Voyage
蚕糸の森アパートメント:夜景(新建築未来紀行)

広大な公園の目の前の計画地において設計された、蚕糸の森アパートメント。

さらに、計画地の公園に面した道路は広く、電柱がない恵まれた計画地でした。

一般的な住宅地において「電柱がない」ことは、とても珍しいことです。

どんなに一生懸命デザインしても、電柱や電線によって外観が無惨に破壊されることが多い日本。

新建築紀行
蚕糸の森アパートメント:夜景(新建築紀行)

電柱がないため、スッキリ白いボリュームでデザインした外観は、白さが引き立ちます。

新建築紀行
蚕糸の森アパートメント:イメージ(新建築紀行)

蚕糸の森アパートメントの設計コンセプトの根幹は、「公園の自然を取り込み、公園を建築化する」ことでした。

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蚕糸の森アパートメント模型(新建築紀行)

設計を進めるにあたり、目の前の蚕糸の森公園の大きな模型を作成しました。

新建築紀行
蚕糸の森アパートメント:模型(新建築紀行)

ここまで大きな模型を作らなくても、空間のイメージは可能ですが、

Yoshitaka Uchino

模型を作成し、模型を眺めながら、
色々とデザインを検討しました。

Yoshitaka Uchino

それによって、デザインの
密度が深化したと考えます。

「公園の建築化」のイメージとドローイング

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蚕糸の森アパートメント:イメージ(新建築紀行)

限られた計画地の中で、「公園の上空を散歩するような空間イメージ」を膨らませました。

集合住宅・マンション建築の際には、容積率を最大にする必要があります。

さらに、廊下などの共用部を集約し、コンパクトにすることが求められます。

これらの設計によって「賃貸可能部分=お金を生む部分」を最大化することが、最も求められます。

今回のデザインコンセプトを具現化するにあたり、共用階段に注目しました。

設計上、必ず必要な共用階段は、集合住宅においては「端に追いやられる」ことが多いです。

集合住宅・マンションにおいては、住人はエレベーターを使用する傾向があり、あまり階段を使いません。

その一方で、建築基準法上、必ず必要である階段は非常に重要であります。

そして、階段のデザインを工夫すると、「歩いて楽しい道空間」となります。

「公園の上空を歩く」ようなイメージのコンセプトドローイングが上のイメージです。

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蚕糸の森アパートメント:イメージ(新建築紀行)

最上階にゆくと、踊り場が1.5層分になるので、大きなガラスが配置できます。

このガラスから、公園の自然と空という無限の空間を取り込むことを考えました。

新建築紀行
蚕糸の森アパートメント:共用階段から臨む公園(新建築紀行)

このようなイメージをもとに、緻密に階段の設計を進めてゆきました。

新建築紀行

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