適度なメンテナンスが大事な戸建住宅〜大事な屋根と外壁のチェック・木造戸建住宅の経年劣化・雨水侵入と木材の腐食の可能性〜|24建築のメンテナンス2・東京の建築設計

前回は「大事な建築のメンテナンス〜気になる工事金額と現地調査の手間・建築と自動車のメンテナンス・車検が「ある」自動車と「ない」建築〜」の話でした。

目次

木造戸建住宅の経年劣化:雨水侵入と木材の腐食の可能性

新建築紀行
練馬の家:リビング(新建築紀行)

自動車と同様に建築・建物もメンテナンスが大事です。

住宅所有者

メンテナンスが大事なのは
分かっているけど・・・

自動車と異なり、建物のメンテナンスはなかなか気が乗らないことかも知れません。

新建築紀行
マツダ ロードスター(Wikipedia)

比較的分かりやすく、基本的に「ディーラーに任せるしかない」自動車のメンテナンス。

法定車検も大事ですが、メンテナンスを怠ると「生命の危険に結びつく」可能性があるのが自動車です。

対して、建築の場合はメンテナンスを怠っても「生命の危険に結びつく」ことは少ないです。

メンテナンスを怠ることで、設備系統の故障によって「生活に支障が出る」ことはあります。

新建築紀行
練馬の家:解体工事(新建築紀行)

建築・建物の場合は構造の頑強さはメンテナンスの程度とは、あまり関係ないことが多いです。

木造の建築・建物などで、メンテナンスの際に「雨水の侵入などが発覚」すれば別です。

木造の場合、「建物の内部に水が入る」ことは木材の腐食につながる可能性が大きいです。

詳細設計(ディテール)や施工精度にもよりますが、経年劣化による「雨水の侵入」は要注意です。

概ね築10年以上の木造住宅は「漏水の可能性がある」ので、メンテナンスとチェックをお勧めします。

適度なメンテナンスが大事な戸建住宅:大事な屋根と外壁のチェック

新建築紀行
練馬の家:解体工事(新建築紀行)

上の写真は、大規模リノベーションの設計・監理をした練馬の家の土台の一部です。

上記リンクで、リノベーション工事の初期の頃の話をご紹介しています。

Yoshitaka Uchino

木造でもリノベーションでも
設計の際には、最初に念入りな現地調査を行います。

初期の現地調査で、大体建物の状況が把握出来ます。

木造・鉄筋コンクリート・鉄骨造、いずれの構造でも「構造の内部」は分からないことが多いです。

「内部が分からない」ですが、「外部の状況」から内部の状況は概ね推測が可能です。

練馬の家のリノベーションの際には、建物の状況から、「ある程度の構造の劣化」は予想されました。

Yoshitaka Uchino

実際に「どの程度劣化しているか」は
木造軸組を見て、初めて判明します。

「予想される」ものの、「どのような状況でどういう工事が必要か」が不明なので、コストも不明です。

Yoshitaka Uchino

建主には、「工事中に構造のメンテナンス・補強で
コストがかかる」ことを説明しておきました。

実際に、大きな腐食が発覚する際は、まずは、現場から写真を送ってもらい、現地へゆきます。

工務店担当者

流石に、ここまで大きな腐食だと、
放っておくわけにはいかないと思います。

工務店担当者

土台の改修なので、
〜くらい費用はかかりますが・・・

Yoshitaka Uchino

確かに、今回の改修で
しっかりメンテナンスする方が良いですね。

そして、建主にコストと建物の耐久性向上・構造的安全性向上を説明して、

練馬の家:建主

確かにコストがかかっても、
今回手を入れた方が良さそうですね・・・

練馬の家:建主

コストは承知しましたので、
土台を一部交換してください。

建主からOKを頂き、土台を一部交換する工事を進めました。

今回のように、大規模リノベーションの際のメンテナンス・改修工事は少し話が異なります。

住宅所有者

大規模リノベーションは
予定していないけど・・・

住宅所有者

どうやって、このような
木造構造が劣化しているのを改修出来るの?

まずは、建物の設計者または施工者にメンテナンスに関して、相談すると良いでしょう。

外壁の作り方にもよりますが、外壁の塗装等も7〜10年に一度メンテナンスするのが望ましいです。

外壁塗装等は足場を組む必要があり、かなりのコストが掛かるため、「15年に一度」程度が実情です。

屋根や外壁は劣化すると「直ちに雨漏り、漏水と木造軸組の劣化」に直結します。

それらが発生した場合は、「早い段階で手を打つ」ことが非常に重要です。

住宅所有者

もう築10年は経過しているから、
不安だから、どこに相談しよう・・・

まずは建物の設計者・施工者に、気楽に相談してみることをお勧めします。

そして、一度、屋根と外壁のメンテナンスを考えて、具体的に現地調査と見積を依頼すると良いでしょう。

住宅所有者

あまり高い金額だと
困るかも・・・

コストは大事な要素なので、費用対効果を考えて具体的に考えると良いでしょう。

最も良くないのは「放置する」ことです。

いわば「建築・建物も生き物」とお考えになって、適度にメンテナンスする姿勢が望ましいでしょう。

新建築紀行

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