奥深い歴史を感じる延暦寺〜東塔=現在・西塔=過去・横川=未来・浄土院における掃除地獄・侍真と超長期の修行・崇高な横川の空間〜|建築と旅

前回は「延暦寺の長い歴史〜東塔・1200年以上続く聖なる地・「現在を体現」する聖地・織田信長の焼き討ちと「不滅の法灯」〜」の話でした。

目次

延暦寺の各エリアの意味:東塔=現在・西塔=過去・横川=未来

延暦寺:大講堂(新建築紀行)

延暦寺を訪れるほとんどの方が、まず最初に訪れる東塔エリア。

この大講堂で、お坊さんの話を聞く貴重な体験ができました。

延暦寺のお坊さん

皆さん・・・
延暦寺の説明をしますから、座ってください・・・

延暦寺のお坊さん

延暦寺は伝教大師・最澄によって立てられましたが、
大勢の方が関わっています・・・

延暦寺に関する説明を一通りして頂きました。

そして、

延暦寺のお坊さん

ここ東塔は、
「現在を体現」する地です・・・

延暦寺のお坊さん

ぜひ、現在に関する
お祈りをして下さい・・・

延暦寺のお坊さん

そして、西塔は過去を、
横川は未来を体現しています・・・

延暦寺のお坊さん

多くの方は、この東塔のみ訪問して
帰られますが・・・

延暦寺のお坊さん

ぜひ、西塔と横川にも
お立ち寄り担って、過去と未来にお祈りをして下さい・・・

エリアそれぞれに現在・過去・未来を体現する意味があることを、ここで初めて知りました。

延暦寺の各エリアの意味

東塔(とうどう):現在

西塔(さいとう):過去

横川(よかわ):未来

僕たちも当初は「東塔のみ」の予定でしたが、

Yoshitaka Uchino

これは、お坊さんのお勧めもあるし、
他のエリアにも行ってみたいな・・・

Yoshitaka Uchino

過去と未来にも
お祈りしよう・・・

家族とも相談して、予定を変更して西塔と横川に行くことにしました。

この日、延暦寺は「午前中のみ」の予定でしたが、東塔をゆっくり回り昼ご飯の時間になりました。

子ども

お腹
すいたよ・・・

新建築紀行
延暦寺:延暦寺会館(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

延暦寺会館に
お蕎麦屋さんがあるね・・・

そこで、延暦寺会館内のお蕎麦屋さんで、お昼ご飯を食べました。

延暦寺で食べるお蕎麦は格別な感じがあり、素朴な味がとても美味しかったです。

西塔・浄土院における掃除地獄:侍真と超長期の修行

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延暦寺:西塔(新建築紀行)

西塔エリアに来ました。

東塔エリアではかなり霧が強い天候でしたが、この辺りから明るくなり、日が差し込んできました。

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延暦寺:浄土院(新建築紀行)

西塔には浄土院があり、美しい枯山水を見ることができます。

この「たくさん樹木があるのに、落ち葉ひとつない」極めて美しい庭。

この庭を毎日掃除している修行僧の方がいらっしゃいます。

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伝教大師 最澄(Wikipedia)
最澄

最下鈍(さいげどん)の者も十二年を経れば
必ず一験を得ん・・・

この最澄の言葉に基づく「十二年籠山行(ろうざんぎょう)」があります。

これは文字通り、「十二年比叡山に籠り続ける修行」です。

そして、浄土院を徹底して清める修行があり、「掃除地獄」と例えられます。

浄土院に詰めて、勤行などを行う僧侶は「侍真(じしん)」と呼ばれます。

侍真は「最澄が存命している」として支え、外部との関係を絶って修行を続けます。

最澄

道を修めようととする心を
持つ人こそ、国の宝・・・

最澄がこのように記していますが、この「国の宝」を目指して毎日修行している方々がいます。

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延暦寺:浄土院(新建築紀行)

どこからみても実に美しい枯山水です。

前の侍真であった方の話では、

侍真

人間は一つのことを
10年、12年と続けて・・・

侍真

ようやく半歩か
一歩進めるとわかった・・・

こう仰っています。

この方は、入行資格を得る修行を含めて、二十年間籠山したようです。

二十年もの長きにわたり延暦寺で修行して「得ること」は、私たちにはなかなか想像できない世界です。

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延暦寺:浄土院(新建築紀行)

白い石が実に美しく配されており、美しい砂紋が描かれています。

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延暦寺:西塔(新建築紀行)

この時は、浄土院内部には修行僧の方はいませんでしたが、周辺を掃除している修行僧の方がいました。

Yoshitaka Uchino

とにかく徹底的に美しく
掃除することを毎日やって修行している方々・・・

これを「十二年やる」ことは、想像を絶するような体験です。

この「普通の人間では成し遂げられないこと」を、修行として行う方々に大いなる尊敬の念を感じました。

美しい枯山水を眺めながら、「過去に対するお祈り」を心の中でしました。

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延暦寺:西塔(新建築紀行)

近くには「親鸞聖人ご修行の地」もあり、大いなる歴史を感じます。

崇高な横川の空間

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延暦寺:横川(新建築紀行)

西塔エリアから、最後の横川エリアに移動しました。

東塔エリアと比較すると、西塔エリアは非常に人が少なくなりました。

そして、横川エリアになると更に人を見かけることが少なくなります。

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延暦寺:横川(新建築紀行)

朱色が際立つ横川中堂を参拝して、「未来に対するお祈り」をしました。

Yoshitaka Uchino

これで、過去・現在・未来に対する
全てのお祈りが出来ました・・・

天候もだいぶ晴れてきて、実に晴れ晴れした気持ちになりました。

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延暦寺:横川(新建築紀行)

観光客がほとんどいない横川エリアは、さらに崇高な雰囲気を感じさせます。

半日の予定が丸一日近くになった延暦寺の訪問でした。

歴史が好きな僕としては、

延暦寺のお坊さん

あの時は、「不滅の法灯」は
消えてしまいました・・・

延暦寺のお坊さん

ところが、その約30年前に、山形に立石寺建立の際に、
「不滅の法灯」を分けていたのです・・・

延暦寺のお坊さん

そこで、山形・立石寺から「不滅の法灯」を
再度分けて頂き、「不滅の法灯」は続いたのです。

Yoshitaka Uchino

信長の延暦寺焼き討ちと
「不滅の法灯」の話も大変興味深かったです。

日本人の心・精神の故郷とも言える延暦寺。

ぜひ、一度足を運ばれることをお勧めします。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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