下水道のシステムを体験・下水道施設親子見学ツアー・虹の下水道館〜分かりやすい模型の展示・下水道のシステムの学び・身近なマンホールの形・なぜ円形なのか?・ポンプを動かす体験と下水の微生物の観察:下水と生活・東京湾クルーズ・海へ放出される処理水〜|建築と体験

前回は「下水道の現実を体験・下水道施設親子見学ツアー・有明水再生センター〜下水を浄化するシステム・臭いを体感・浄化された下水を体験:きれいになった下水の臭いを嗅ぐ体験〜」の話でした。

目次

分かりやすい模型の展示:下水道のシステムの学び

虹の下水道館(新建築紀行)

小平ふれあい下水道館から始まった東京都主催の下水道施設親子見学ツアー。

有明水再生センターに続いて、虹の下水道館に来ました。

ちょっと
疲れた・・・

これまでの二つの見学で十分盛りだくさんです。

子どもと博物館などへ行きますが、「子どもと博物館のハシゴ」は初めての経験です。

有明水再生センターのすぐ隣にある、虹の下水道館では、下水道施設のシステムを学び、体験できます。

様々な模型などが展示してあり、下水道施設の現実を知ることができます。

虹の下水道館(新建築紀行)

小平ふれあい下水道館にも多数の模型の展示がありましたが、ここでは「自分の住む家庭」の下水がよくわかります。

虹の下水道館(新建築紀行)

有明水再生センターで実際に見学した、第一沈殿池・反応槽・第二沈殿池の流れの模型があります。

さっきのところは、
こうなっていたんだね・・・

実際にさっき訪れたばかりの施設のシステムを模型で確認できるのは、とても良いと思いました。

模型をみると、
システムの全容がよく分かります。

虹の下水道館(新建築紀行)

流れてきた下水の汚泥を沈殿させてゆく状況が、詳細な模型で表現されています。

虹の下水道館(新建築紀行)

最後は、有明水再生センターで実際に「近くで臭いをかぐ」体験をした処理水となります。

そして、「きれいになった水」は、海=東京湾へと放流されてゆきます。

身近なマンホールの形:なぜ円形なのか?

虹の下水道館(新建築紀行)

ここで、面白い展示がありました。

身近なマンホールの形が「なぜ円形なのか?」です。

ここでは、すぐに答えが書いてありますが、実物の模型が置いてあるのがとても良いです。

マンホールの形が、なぜ丸(円)だと
思う?

え〜と・・・
これかな?

虹の下水道館(新建築紀行)

円・正三角形・四角形のマンホールの模型が展示されています。

丸(円)のマンホールを
動かしてごらん。

ちょっと
回してみるね・・・

丸(円)のマンホールは
落ちる?

落ちないね・・・

虹の下水道館(新建築紀行)

では、次に三角のマンホールを
回してみよう。

これは、回すと
落ちちゃうね・・・

虹の下水道館(新建築紀行)

次に四角のマンホールを
回してみよう。

これも回すと
落ちちゃうね・・・

じゃ、やっぱり
マンホールは丸でないと困るね・・・

三角と四角のマンホールが「落ちる可能性がある」のは、中学生以上なら計算すれば分かります。

「計算すればわかること」ですが、このように実体験することは、特に子どもには大事でしょう。

三角と四角のマンホールは、
どっちが落ちやすい?

それは四角だね。
四角はすぐに落ちちゃうよ・・・

実際に、四角(正方形)のマンホールは、ちょっと回転させるとすぐに落下する危険があります。

身の回りで算数・数学が直接役立つことは少ないですが、これは「役立つ」大事なことの一つでしょう。

ポンプを動かす体験と下水の微生物の観察:下水と生活

虹の下水道館(新建築紀行)

子ども向けに「下水道の管理する方々がどのような仕事をしているか」を体験できます。

ここでは、「大雨の際に下水道の水位が上がったら、ポンプで水を排出する体験」ができます。

実際に、子どもがマウスをクリックして「ポンプのオン・オフ」の指令を下します。

ゲリラ豪雨で
急に大雨が降りました!

と言われたら、

よし、ポンプを
入れよう!

とポンプを起動して、下水の水位が下がったら、

ポンプのスイッチを
消すね!

とポンプを動かして「街を守る」体験ができます。

虹の下水道館(新建築紀行)

この体験の面白いところは、アメダスや天気図の雨雲の動きを見ながらポンプを動かすことです。

結構
難しいね・・・

最初は戸惑っていた子どもですが、途中から楽しくなったらしく、

また今度
やってみたい!

と言うようになりました。

虹の下水道館(新建築紀行)

続いて、下水道の汚泥分解に大活躍する微生物たちを、実際に顕微鏡で観察しました。

顕微鏡を覗くのは、
大学以来かも・・・

虹の下水道館(新建築紀行)

大きな画面では説明員の方が、大活躍中の元気な微生物を見せて、

これは〜という
微生物です。

と教えてくれました。

小学生の子どもたちは、まだ顕微鏡で観察する経験は少ないですが、

すごく大きく見えて、
面白いね!

子どもたちは皆楽しそうに、思い思いに観察していました。

東京湾クルーズ:海へ放出される処理水

東京湾クルーズ(新建築紀行)

最後に有明から
浅草まで東京湾をクルーズします!

虹の下水道館の訪問後は、いよいよ最後の「東京湾クルーズ」です。

お台場から出発した船に乗って、子どもたちは大喜び。

さっき、有明水再生センターで見た
最後の水がここに流れているんだね!

東京湾クルーズ(新建築紀行)

あっ、高いビルが
たくさんあるよ!

電通ビルなどが見えてきて、東京の様々な風景が体験できます。

東京湾クルーズ(新建築紀行)

ねえ、なんで
海の水がちょっと茶色いの?

これはね、色々な水が流れてきているから、
少し汚れているのかもね。

久しぶりに東京湾をクルーズしましたが、やはりちょっと水質は濁っているように見えます。

それでも、高度成長期の時代よりは遥かに良くなった東京湾の水質。

それは、下水道再生センターなどの下水道に関わる方々の日々の努力の賜物なのでしょう。

小平ふれあい下水道館・有明水再生センター・虹の下水道館・東京湾クルーズと四つ立て続けの濃密なツアーでした。

子どもにとっては、ちょっと盛りだくさん過ぎる感じもしますが、一気に下水道を実体験できる貴重な機会でした。

僕も下水道のことが
かなり良くわかるようになりました。

各自治体で行われている「下水道施設見学ツアー」は、とてもおすすめです。

ツアーを見かけた時は、ぜひ親子で参加されてはいかがでしょうか。

新建築紀行

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