前回は「延暦寺の長い歴史〜東塔・1200年以上続く聖なる地・「現在を体現」する聖地・織田信長の焼き討ちと「不滅の法灯」〜」の話でした。
延暦寺の各エリアの意味:東塔=現在・西塔=過去・横川=未来
延暦寺を訪れるほとんどの方が、まず最初に訪れる東塔エリア。
この大講堂で、お坊さんの話を聞く貴重な体験ができました。
皆さん・・・
延暦寺の説明をしますから、座ってください・・・
延暦寺は伝教大師・最澄によって立てられましたが、
大勢の方が関わっています・・・
延暦寺に関する説明を一通りして頂きました。
そして、
ここ東塔は、
「現在を体現」する地です・・・
ぜひ、現在に関する
お祈りをして下さい・・・
そして、西塔は過去を、
横川は未来を体現しています・・・
多くの方は、この東塔のみ訪問して
帰られますが・・・
ぜひ、西塔と横川にも
お立ち寄り担って、過去と未来にお祈りをして下さい・・・
エリアそれぞれに現在・過去・未来を体現する意味があることを、ここで初めて知りました。
東塔(とうどう):現在
西塔(さいとう):過去
横川(よかわ):未来
僕たちも当初は「東塔のみ」の予定でしたが、
これは、お坊さんのお勧めもあるし、
他のエリアにも行ってみたいな・・・
過去と未来にも
お祈りしよう・・・
家族とも相談して、予定を変更して西塔と横川に行くことにしました。
この日、延暦寺は「午前中のみ」の予定でしたが、東塔をゆっくり回り昼ご飯の時間になりました。
お腹
すいたよ・・・
延暦寺会館に
お蕎麦屋さんがあるね・・・
そこで、延暦寺会館内のお蕎麦屋さんで、お昼ご飯を食べました。
延暦寺で食べるお蕎麦は格別な感じがあり、素朴な味がとても美味しかったです。
西塔・浄土院における掃除地獄:侍真と超長期の修行
西塔エリアに来ました。
東塔エリアではかなり霧が強い天候でしたが、この辺りから明るくなり、日が差し込んできました。
西塔には浄土院があり、美しい枯山水を見ることができます。
この「たくさん樹木があるのに、落ち葉ひとつない」極めて美しい庭。
この庭を毎日掃除している修行僧の方がいらっしゃいます。
最下鈍(さいげどん)の者も十二年を経れば
必ず一験を得ん・・・
この最澄の言葉に基づく「十二年籠山行(ろうざんぎょう)」があります。
これは文字通り、「十二年比叡山に籠り続ける修行」です。
そして、浄土院を徹底して清める修行があり、「掃除地獄」と例えられます。
浄土院に詰めて、勤行などを行う僧侶は「侍真(じしん)」と呼ばれます。
侍真は「最澄が存命している」として支え、外部との関係を絶って修行を続けます。
道を修めようととする心を
持つ人こそ、国の宝・・・
最澄がこのように記していますが、この「国の宝」を目指して毎日修行している方々がいます。
どこからみても実に美しい枯山水です。
前の侍真であった方の話では、
人間は一つのことを
10年、12年と続けて・・・
ようやく半歩か
一歩進めるとわかった・・・
こう仰っています。
この方は、入行資格を得る修行を含めて、二十年間籠山したようです。
二十年もの長きにわたり延暦寺で修行して「得ること」は、私たちにはなかなか想像できない世界です。
白い石が実に美しく配されており、美しい砂紋が描かれています。
この時は、浄土院内部には修行僧の方はいませんでしたが、周辺を掃除している修行僧の方がいました。
とにかく徹底的に美しく
掃除することを毎日やって修行している方々・・・
これを「十二年やる」ことは、想像を絶するような体験です。
この「普通の人間では成し遂げられないこと」を、修行として行う方々に大いなる尊敬の念を感じました。
美しい枯山水を眺めながら、「過去に対するお祈り」を心の中でしました。
近くには「親鸞聖人ご修行の地」もあり、大いなる歴史を感じます。
崇高な横川の空間
西塔エリアから、最後の横川エリアに移動しました。
東塔エリアと比較すると、西塔エリアは非常に人が少なくなりました。
そして、横川エリアになると更に人を見かけることが少なくなります。
朱色が際立つ横川中堂を参拝して、「未来に対するお祈り」をしました。
これで、過去・現在・未来に対する
全てのお祈りが出来ました・・・
天候もだいぶ晴れてきて、実に晴れ晴れした気持ちになりました。
観光客がほとんどいない横川エリアは、さらに崇高な雰囲気を感じさせます。
半日の予定が丸一日近くになった延暦寺の訪問でした。
歴史が好きな僕としては、
あの時は、「不滅の法灯」は
消えてしまいました・・・
ところが、その約30年前に、山形に立石寺建立の際に、
「不滅の法灯」を分けていたのです・・・
そこで、山形・立石寺から「不滅の法灯」を
再度分けて頂き、「不滅の法灯」は続いたのです。
信長の延暦寺焼き討ちと
「不滅の法灯」の話も大変興味深かったです。
日本人の心・精神の故郷とも言える延暦寺。
ぜひ、一度足を運ばれることをお勧めします。
次回は上記リンクです。