戸建住宅の工事現場のプロセス:柱と梁の接合部と金物〜土台と基礎・引き抜き力に抵抗するホールダウン〜|豊島の家9・東京の建築設計

前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:柔構造の木造軸組構法〜剛構造とは異なる「しなやかな」構造・筋交と金物〜」の話でした。

目次

柱と梁の接合部と金物

豊島の家:金物工事(新建築紀行)

全ての柱・梁の接合部に、金物をつけてゆきます。

梁の上下に柱がある場合は、柱と梁がしっかりと構造的につながるように金物で接合します。

「山形プレート」という、平らなプレートをつけます。

梁は梁せい(高さ)が異なる部分や、長い部分は別々の梁なので、梁同士をプレートで固定します。

柱・梁は、全て工場で加工(プレカット)しますが、梁同士の接合部は柱の部分にならないようにします。

Yoshitaka Uchino

柱の部分で接続すると、
構造的に非常に弱くなるからです。

豊島の家:金物工事(新建築紀行)

土台と基礎:引き抜き力に抵抗するホールダウン

豊島の家:金物工事(新建築紀行)

土台の一部には、基礎としっかりつなぐ「ホールダウン金物」という太い棒のある金物を設置します。

土台を貫通して、柱と基礎をしっかりつなぎます。

柱には、地震の時に柱に「引き抜き力」がかかります。

「引き抜き力」は文字通り、基礎・土台から柱が「引き抜かれる力」です。

柱が基礎や土台から、引き抜かれて離れてしまっては大変なので、それを防ぐ大事な金物です。

Mana Muraki

柱がしっかりと土台と基礎に
固定されます。

新建築紀行
豊島の家:断面図(新建築紀行)

筋交がある部分で、2つの金物がある部分は混み合うので、施工が難しい場合があります。

そういう場合も、大工さんが丁寧に施工します。

豊島の家:金物工事(新建築紀行)

この場合は、事前にホールダウンの穴を開ける場所を考えておく必要があります。

工務店の担当者の、しっかりとした判断が大事です。

この現場では、非常に綺麗に金物と筋交が施工されています。

これで、金物の設置工事が完了しました。

Mana Muraki

これで大きな地震が来ても、
大丈夫です。

次回は 、断熱工事です。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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