木の温もりが感じられる商業施設の新築設計・デザイン 1〜対の切妻屋根のデザイン・ボリュームを分割・余白の空間を活かす・二つのボリュームの間の空間〜|東京の建築設計

前回は「山の中の木のホテル・設計コンセプト②〜片流れの屋根の森・「繊細な和の優美さ」の表現・細い梁で包まれる空間〜」の話でした。

目次

木の温もりが感じられる商業施設

Twin Gable(新建築紀行)

こんにちは。

現在計画を進めている商業施設の設計に関して、ご紹介したいと思います。

郊外の比較的ゆとりのある計画地に、

不動産会社A

木の温もりが感じられる、
商業施設を設計して下さい。

不動産会社の方から、依頼を頂きました。

設計・監理のご契約を頂き、所内で色々とディスカッションします。

Yoshitaka Uchino

この計画地には、
木造の雰囲気がいいね。

Mana Muraki

切妻屋根のデザインに
しましょうか。

今回は、私たちにとって馴染み深い家形の、切妻屋根の形で設計案を進めることにします。

Yoshitaka Uchino

大きな切妻屋根を、
架けて検討してみようか。

Mana Muraki

模型で
検討します。

まずは、敷地に対して1棟の建物で計画しました。

一棟では建物の大きさから考えて、屋根が大きくなり過ぎるとなりました。

Mana Muraki

ちょっと
屋根が高いですね・・・

切妻屋根の場合、建物の大きさと天井高さのバランスが大事になります。

対の切妻屋根のデザイン:ボリュームを分割

Twin Gable(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

一棟ではなくて、
2棟で構成する空間を考えてみよう。

Mana Muraki

2棟で模型を
作ります。

2つの棟に分けて計画した方が、全体的なバランスが取れるデザインになりました。

まずは同じボリュームで、細長い建物を2つ平行に配置します。

次に、その2棟に変化をつけて検討します。

Yoshitaka Uchino

全く同じ2棟ではなくて、
屋根の勾配を変えてみようか。

Mana Muraki

それは
面白そうですね。

そこでボリュームは同じとしながらも、勾配に緩急をつけた2つの種類の切妻屋根を架けます。

高さの違う建物とすることで、空間に変化がでます。

天井の高さが違うだけでも、違う印象となります。

Twin Gable(新建築紀行)

空間の高さを考える上で

平面的な広さに対して、丁度いいと感じる適切な天井高が定義されています。

またプロポーションとしても、感覚的に美しいと感じる勾配具合を探します。

立体的に検討しながら、建築の形を決めます。

Yoshitaka Uchino

これくらいの違いがある
勾配なら、バランスもいいね。

Mana Muraki

デザインの大枠が
決まりましたね。

余白の空間を活かす:二つのボリュームの間の空間

Twin Gable(新建築紀行)

次に2棟にしたことによる、建物の間の空間に着目します。

Mana Muraki

棟と棟の間にも、
空間をつくり出すことが出来ますね。

Yoshitaka Uchino

そうだね。
この部分も活かした設計を考えよう。

棟と棟の間にできる空間をデッキで繋げて半外部半内部のような場所を計画します。

また、勾配屋根に沿って梁を架け、その梁を外部まで伸ばします。

そして、デッキの空間に梁の影が落ち、木漏れ日が降り注ぐような空間を演出します。

Twin Gable(新建築紀行)

更に、建物内部にも自然を取り込む案を検討します。

ゆとりのある敷地を活かしたデザインを考えました。

ゆったりとした雰囲気で、

Mana Muraki

どこにいても、
自然を感じられるような空間にしたい。

建物の内部空間に、コンパクトな光庭をつくり、光を取り込む案を考えました。

Twin Gable(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

買い物をしながら、
くつろげるような空間にしよう。

Mana Muraki

光庭のデザインと配置が、
ポイントですね。

全体を木調とし、光庭に樹木を植え、木に包まれた柔らかい空間を表現します。

楽しく買い物をしながら自然に触れ、心が豊かになれるような施設を目指しています。

基本的な設計・デザインが決まり、建主に模型とCGをお見せして、ご説明します。

不動産会社A

これは
良いですね!

不動産会社A

ショッピングをするだけではなく、
お客様にリラックスした場所を提供出来ます。

設計案を気に入っていただいたので、今後は基本計画から詳細設計に進めていきます。

建主の意見やその土地の環境を詳細に検討した上で、

Mana Muraki

私たちならではの設計を、
これからもデザインしてゆきたいと思っています。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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