前回は「アイデア : 有機的ヴォイド~バウンスする自然の光・柔らかな光・茨城の家~」の話でした。
アイデア : 有機的ヴォイド~バウンスする自然の光・柔らかな光・茨城の家~|東京の建築設計から
上下の空間をつなぎ、落ち着いた光をもたらす「余白の空間」吹抜
目次
光と「間」
今回は、練馬の家の有機的ヴォイドに関する話です。
ヴォイドは、上下の空間をつなげる吹き抜けだけではないと考えます。
日本の伝統的コンセプトであり、時空の広がりである「間」でもあると考えます。
光は空間をつくり、「間」をつくります。
光によって「間」の空間を顕在化させたいと考えました。
練馬の家では、既存の柱と一体化した机と本棚をつくりました。
柱は周囲に空間をつくり、古い柱と新たな梁が対話します。
「新旧の軸組の対話」が、この建築のテーマの一つです。
Yoshitaka Uchino
その対話に「間」のコンセプトを、
具現化することを考えました。
スリットの光:新旧の軸組の対話
柱と梁が出会い、そこに新たな机と本棚が備え付けられ、本棚と机という家具が建築と一体化します。
そこにスリットからの自然の光が強く、優しく差し込みます。
建築と家具の一体感を、
さらに強化します。
光が、
建築と家具を統合します。
そして、空間に新たな刺激を与えています。
既存の梁と新たな梁が混在し、新旧の素材が衝突する空間を目論みました。
このリノベーションでは、「1階と2階のどちらをリビングにするか」を様々検討しました。
様々検討した結果、「1階リビング案」を建主に提案し、了承いただいた話を上記リンクでご紹介しています。
既存の庭を
テラスにして、明るいリビングを生み出しました。
「1階より2階の方が明るい」のは現実ですが、「1階ならでは」の良さを活かした空間づくりです。
完成写真は、下記からご覧ください。