戸建住宅リノベーションで階段の位置を変更〜難しい「跳ねだし階段」の工事・「てこの原理」でシンプルに施工〜|練馬の家14・東京の建築設計

前回は「リノベーションの現場塗装とサンプル〜サンプルを見て検討・建主との打ち合わせ・梁にサンプル塗装して比較・古い木材と新しい木材の対話〜」の話でした。

目次

難しい「跳ねだし階段」の工事

練馬の家:階段工事(新建築紀行)

リビングと二階をつなぐ階段は、開放的な跳ね出し階段です。

跳ね出し階段をつくるのは、実は結構大変です。

70kgの人が、階段を上がったり降りたりする際を考えてみましょう。

その人が、片足を跳ね出しの先端部分に載せる場合、段板には相当なモーメントがかかります。

跳ね出し階段の作り方は、設計の際に工務店の担当者と綿密な打ち合わせしました。

フラットバーなどの鉄を使用することも考えました。

そのために9mmくらいの薄い鉄板を芯材にして、両側に12mmの木を貼ることも考えました。

その場合、合計33mmの「木の段板」に見えます。

階段は玄関に面しているので、

Yoshitaka Uchino

優しい木の雰囲気を
生み出したい・・・

Yoshitaka Uchino

表も裏も木で、
仕上げているように見せたい。

「木で完全に仕上げる」ことを考えました。

練馬の家:模型(新建築紀行)

できれば30mmの集成材をつかって、

Yoshitaka Uchino

木だけで、
跳ね出し階段をつくりたい!

実際には、木材で「大きなモーメントに対抗する」のは、なかなか難しい面があります。

「てこの原理」でシンプルに施工

練馬の家:階段工事(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

スチールを使わずに、
木だけでうまく跳ね出しを作れないかな・・・

そこで、現場担当者と工事現場で、様々な打ち合わせをしました。

Yoshitaka Uchino

てこの原理を応用できれば
良いと思うのですが・・・

現場の大工さんと色々とアイデアを相談します。

現場監督

段板の先端に、
大きな荷重(力)がかかる可能性を考慮して・・・

現場監督

跳ね出しの根元を、
強く抑えればいいのでは・・・

このような「てこの原理」を利用した合理的発想に至りました。

この発想で、工事を進めることになりました。

Yoshitaka Uchino

ものづくりをしている大工さんならではの、
合理的な発想です。

木でガッチリ段板を、押さえ込んでいます。

戸建住宅リノベーションで階段の位置を変更

練馬の家:階段工事(新建築紀行)

これで300mmの比較的大きな跳ね出し階段を、純粋な木だけで作成することができました。

玄関側からみた状況を確認すると、

Mana Muraki

やっぱり木だけで作って、
良かったです。

Mana Muraki

木の優しい雰囲気が、
表れていますね。

練馬の家:階段工事(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

きれいな跳ね出し階段が
出来ました。

練馬の家:階段
練馬の家:階段(新建築紀行)

次回は、テラス=外部リビングの工事の話です。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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