前回は「家のリフォーム・リノベーションのプロセス②〜そろそろリフォームをしようかなと思った時・リノベーション・リフォームの「最初の第一歩」・リノベーションの具体的目標・住まいへの思いを明確に・デザインのアイデア・「思い」を具体的なデザインへ〜」の話でした。
リノベーションの設計を具体化してゆくプロセス
こんにちは。
収納した数々の本を、
身近に感じながら楽しく生活をしたいです。
オープンではなく、
あまり人目につかない位置がいいです。
建主から具体的な設計・デザインに関するご要望をお聞きしました。
その結果、「柱のような細長い本棚を円弧状に隙間を作って並べる」デザインを考えました。
本棚がルーバーのようになって、
キッチンを適度に隠します。
この本棚、
可愛らしくていいですね!
建主の要望に対して、真摯に向かい合った結果、ご要望が「アイデア・デザインの元」となりました。
そして、このアイデアを具体的に検討し、デザインとして具現化してゆくプロセスが設計です。
模型で具体的に検討:少しずつリアルにイメージ
初めて実施する「柱のような細長い本棚を円弧状に隙間を作って並べる」デザイン。
これまで、たくさんの建築作品を訪れたり、作品集で見てきましたが、見たことがありません。
アイデア・コンセプトは
面白そうだけど・・・
実際は、
どういう感じになるんだろう・・・
と思いました。
今回は、どのようにこの案を検討していったのかについてご紹介します。
「本棚」と聞いて思い浮かぶイメージは、箱型ですね。
その縦一列ずつを分断して細長い本棚として、隙間を作って配置するデザインを考えました。
そこで色々なサイズの模型で検討を進めました。
まずは部屋の全体を把握できるように、実際の1/50のサイズの模型を作成しました。
そして、模型を眺めて、
こんな感じに
なるんだ・・・
1/50から1/1の現実のスケールをイメージして、設計案を検討します。
詳細な模型を作ってデザインを発展:模型のスケールアップ
次に1/20のサイズでは、素材も実物に近いものを使いより現実的に把握できるように作成しました。
人の視線や照明が
どのような感じで通るのか、などを確認しました。
そして、いよいよ1/10の模型をつくりました。
天井高が2,400mmなので、模型では240mmとなり、かなり大きな模型となります。
ここまで大きいと、
かなりリアルに詳細を検討できます。
部分的に本棚とキッチン回りにフォーカスして作成しました。
建主がキッチンに対してこだわりが強くあり、大きなシンクや食器が沢山入ることなどを要望されていました。
そこで、こちらの模型でご説明して納得していただきました。
ここまで再現したのは、
この時が初めてでした。
本棚の検討は、最終的に「モックアップ」という実物大まで作り検討を重ねました。
実際に本も収納してみて使い勝手を確かめたり、リビング側とキッチン側からの視線を確認しました。
珍しい案は、実際どうなるのかを事前にしっかり検討したいです。
このようにして、使い勝手も満足していただけるように、何度も検討を重ねて実現した案でした。
竣工写真は、下記サイトをご覧ください。