前回は「木造大空間の美術館〜中心がずれた二枚の円弧壁による空間の揺らぎ・打ち放しコンクリートと自然光・地震力を負担するコンクリート壁面〜」の話でした。
コンクリート打ち放しの多様な住まい:正方形断面の柱梁均等グリッド

今回は、コンクリート打ち放しの集合住宅・マンションのアイデアの話です。
無機質な表情のコンクリート打ち放しは、その無垢な素材感が美しい面があります。
今回は、正方形断面の柱梁均等グリッドによって、住まいの多様性を生み出す試みです。
均等グリッドにおいて、ヴォリュームを欠き取って、少しずつ対称性を崩してゆきます。
そして、余白の空間を積極的に生み出すことを目論みました。
・揺らめく自然
・有機的ヴォイド
・道空間
・都市広場
・多様なる共生
私たちの5つのフィロソフィーの中で、揺らめく自然と都市広場を重視したコンセプトです。

柱と梁の均等グリッドの純ラーメン構造によって、柱と梁に囲われた部分は大きなサッシュとなります。
正方形断面のコンクリート打ち放しである柱梁によって、空間がフレーミング化されます。

建築に囲われたエントランス周辺には、広い広場があり、都市広場となります。
それほど広くない、この広場の空間は、コンクリートの柱と梁によって異化され、顕在化します。
自然とコンクリートのボリュームの対比が際立つデザインです。
コンクリートの均等グリッドが生み出す透明感

各住戸には、広いテラスが設けられており、広々とした「外のリビング」が広がっています。
コンクリート打ち放しの柱と梁が正方形断面であるため、空間に強い秩序が生まれます。

ここでは、正方形断面の梁が極めて強い存在感を持っています。
強固なコンクリートの柱梁のグリッドによって、強固な耐震性が確保されます。

さらに、コンクリート打ち放しの
正方形断面の梁が、自然を際立たせます。


モノとしての存在感が極めて強いコンクリートの均等グリッドによって、透明感が生まれます。


建築の最も外郭となる部分は、キャンティ構造によって、柱と梁から解放しています。
そのため、建築の周囲がガラスで覆われて、高い透明感が得られました。


積み木のように組み合わせたブロックを、コンクリート打ち放しの柱梁の均等グリッドで構成しました。
このシンプルなデザインによって、無限の広がりが生まれたと考えます。