前回は「適度なメンテナンスが大事な戸建住宅〜大事な屋根と外壁のチェック・木造戸建住宅の経年劣化・雨水侵入と木材の腐食の可能性〜」の話でした。
生命に関わる建築のメンテナンス:動く自動車と動かない建築
木造住宅や非住宅(施設など)の場合、
そういえば、
そろそろ築10年だわ・・・
築10年を経過する頃に、一度メンテナンスを検討すると良いです。
非住宅(施設)の場合、定期的メンテナンスが義務付けられていることも多いので、
〜月〜日に築十年を
迎えるな・・・
築年数の管理がしっかりされており、
事前に設計者か施工者に
メンテナンスの相談をしよう・・・
きちんとしたメンテナンス向けて、具体的な手順が踏まれることが多いと考えます。
対して、どうしても「後回し」にされがちなのが、戸建住宅のメンテナンスです。
もう築10年だけど、
まだ大丈夫かな・・・
設計者や施工者に相談する手間に加え、多額の費用がかかる可能性があるメンテナンス。
特に問題は
なさそうだし、大丈夫!
このように考えてしまうことが多い傾向があります。
これが、自動車の車検であれば、
もう2年の法定車検だけど、
車に異常ないから、受けなくて大丈夫かな・・・
このようなことは法律的に認められないことであり、
やっぱり車のメンテナンスしないと、
事故につながるかもしれない・・・
このような懸念から、
やっぱり車のメンテナンスは
きちんとしよう!
自分達の生命に関わりかねない自動車のメンテナンスに関しては、積極的になる方が多いです。
走る・動く自動車と比較すると「動かない建築・建物」は、危険性が少ない気がします。
地震は不安だし、大地震の時は
大変なことになるかもしれないけど・・・
このような懸念がありますが、やはり費用が気になる方が多いかと思います。
最近は、メンテナンス・リノベーションに対して、助成金を出す自治体も多いので、探すのも手です。
戸建住宅メンテナンスと建築基準法適合性チェック:建築確認の有無
今回は、戸建住宅の中でも大多数を占める木造戸建住宅の話をご紹介します。
鉄筋コンクリートや鉄骨造の戸建住宅にも共通する面はありますが、少ないです。
日本古来の軸組住宅で建築される木造戸建住宅は、城など大規模な建築も作られました。
木造にはハウスメーカーなどで施行されるツー・バイ・フォーもあります。
同じ木造ですが、木造軸組構法とツー・バイ・フォーは「全く違う工法」です。
主に米国など海外の建築工法であるツー・バイ・フォーは、今回は対象外とします。
鉄筋コンクリートや鉄骨造と比較すると、
木造住宅は
やっぱり劣化しやすいのかしら・・・
このように「劣化しやすい」印象が強いかもしれない木造住宅は、実は大変優れた工法です。
上記リンクでは、木造建築の強さのご紹介をしています。
木造は、コストが低廉で
自然素材であるだけではなく・・・
適切な設計・施工によって、
耐震性が非常に強い建築工法です。
コストが低く、耐震性が強い木造建築ですが、「耐火性が低いこと」と「腐食に弱い」ことが弱点です。
そのため、メンテナンスやリノベーションの際には、痛んだ部分の改修・補修が大事です。
「腐食部分に対するメンテナンスが大事」なことは分かりやすいですが、もう一点大事なことがあります。
自重(自分の重さ・重量)が小さいことが、「耐震性が強い」ことの大きな理由である木造。
施設等であれば、古い木造建築でも当時の建築基準法に沿って設計されていることが、ほとんどです。
特に、新耐震構造が施行された1981年以降新築の木造であれば、「概ね大丈夫」です。
一方で、戸建住宅の場合は、1990年代まで「建築確認を取得せずに建築」した住宅が一定数あります。
これらは厳密には「建築基準法違反」となります。
「法律違反」が許されるはずはなく、例えば、高速道路で速度超過で検挙されると、
〜月〜日までに過料を
納めてください。
罰金が課され、支払う必要があります。
それでは、「建築確認が未取得」という「建築基準法違反」はどうなるのでしょうか。
建築確認と言われても、
知らなかった・・・
高速道路の速度超過等と比較すると、「知らなかった」が多い一般の方。
これに対して、国土交通省や自治体は、
適切な手続きを踏めば、
「建築確認取得同等」としましょう・・・
建築士による申請である「適切な手続き」を申請することで、「建築確認を取得したと同等」になります。
メンテナンスの際には、建築基準法の適合性と建築確認に関しても調べると良いでしょう。
もし、「建築確認未取得」の住宅にお住まいでしたら、「適切な手続き」を検討すると良いでしょう。