「道空間」の展開〜Void in a ForestからTwin Gableへ・歩いて楽しい「道空間」・自然の光と風を感じる立体街路〜|東京の建築設計

前回は「『有機的ヴォイド』の展開〜茨城の家からFloating Voidsへ・自然の光と風を呼び込む「有機的ヴォイド」・共鳴する内外のヴォイド〜」の話でした。

目次

歩いて楽しい「道空間」:自然の光と風を感じる立体街路

新建築紀行
石神井公園の集合住宅:中庭(新建築紀行)

建築設計の際には、「歩いて楽しい道空間」をつくることを心がけています。

戸建住宅では廊下を出来るだけ少なく設計しますが、部屋の構成上、廊下は出来ます。

Yoshitaka Uchino

単なる「部屋から部屋に移動する経路」
ではなく・・・

Yoshitaka Uchino

その空間を歩くのが楽しくなる
ような「道空間」の廊下をデザインします。

デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー

・揺らめく自然

・有機的ヴォイド

・道空間

・都市広場

・多様なる共生

石神井公園の集合住宅では、各住戸内の空間も重視しましたが、

Yoshitaka Uchino

エントランスから住まいへ
至る道空間を重視しました。

新建築紀行
石神井公園の集合住宅:エントランスホール(新建築紀行)

エントランスを入ると、中庭に立つ孟宗竹が見えます。

Yoshitaka Uchino

自然の光と
風を感じることができます。

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石神井公園の集合住宅:断面図(新建築紀行)

建築に大胆に挿入された中庭の空間は有機的ヴォイドであり、広場でもあります。

この空間を生み出すのは、最も重要な設計コンセプトでしたが、

Yoshitaka Uchino

実は風致地区による
厳しい建蔽率をクリアするポイントです。

設計コンセプトと「法規をクリアするポイント」を兼ねた中庭は、とても思い入れがあります。

新建築紀行
石神井公園の集合住宅:1F平面図(新建築紀行)

共用階段を中庭内部に配置し、中庭を上がり降りする際に周囲の石神井公園の森を感じられます。

Yoshitaka Uchino

計画地周辺の豊かな自然を
建築内に引き込むコンセプトです。

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石神井公園の集合住宅:アクソノメトリック(新建築紀行)

階段を上がり降りする際に、住まい手の方が「自然の光と風と森」を感じられる事を考えました。

いわば「自然の光と風を感じる立体街路」の道空間となっているのが、この階段です。

私たちは、石神井公園の集合住宅を”Void in a Forest”と呼んでいます。

「道空間」の展開:Void in a ForestからTwin Gableへ

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Twin Gable(新建築紀行)

現在、設計を進めている商業施設のTwin Gableは、木造の温かみを生かしたデザインです。

無機質な雰囲気になりがちな商業施設において、内部空間に自然の光と風が通るヴォイドを挿入しました。

Yoshitaka Uchino

光と風に溢れる
商業施設です。

このTwin Gableは、名称通り「二つの切妻建物」によって構成されています。

私たちは、この二つに分割したボリュームを隣接させて、「歩いて楽しい道空間」をデザインしました。

新建築紀行
Twin Gable(新建築紀行)

切妻屋根と切妻屋根の間に挟まれた空間は、梁が象徴的な空間です。

この屋外空間は「建築の外部」ですが、空間構成としては「建築の内部空間」となります。

新建築紀行
Twin Gable(新建築紀行)

この二つの切妻屋根の隙間のような空間が、建築全体の軸を構成します。

Yoshitaka Uchino

この商業施設に向かってゆく
軸となります。

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Twin Gable : Concept(新建築紀行)

それほど広くない、このささやかな空間は、活気ある道空間となることを考えています。

このようにVoid in a Forestで考えた「道空間」は、様々なプロジェクトにおいて、発展してゆきます。

Yoshitaka Uchino

このように「歩いて楽しい」道空間を
つくってゆきたいと思います。

新建築紀行

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