前回は「地下1階の配筋検査〜ビシッと整然と並んだ鉄筋たち・地階の配筋工事・自然の光と風が必要な「居室」と地下〜」の話でした。
地上1階の配筋工事:底盤の設置と構造的安定性
地下一階の配筋検査が終わり、コンクリートを打設しました。
そして、いよいよ地上階の配筋工事に進みました。
多くのマンション等の建物では、地下がありませんが、地下1階がある蚕糸の森アパートメント。
地上4階立てで、地下1階の建物ですが、地下を作り、さらに地下の下の基礎部分に底盤を作りました。
鉄筋コンクリート造のマンションの基礎部分は、多くの場合ピットになります。
分厚い底盤を作ることは、「ピットのメンテナンス向上」とともに、構造の安定性向上にもつながります。
上の断面図を見ても、非常に建物の安定感が高いことが分かります。
底盤を作ることは、多少のコストアップにつながりますが、地震にも極めて強いので良いと思います。
壁式鉄筋コンクリート造である本建物は、柱がボコッと出てこないシンプルなデザインです。
平面図はシンプルになり、この建物では、非常にバランス良く構造壁を配置しています。
縦横に鉄筋が丁寧に組まれて、
鉄筋が生き生きとしているのが、
分かります。
地上1階の配筋検査
そして、配筋検査に進みました。
配筋検査では、「壁と壁の接合部」や「壁と床の接合部」などが大事です。
この鉄筋の
定着長さを少し当たってください・・・
構造担当者の指示で、現場監督がメジャーを当てます。
はい。
これでいかがでしょうか。
これは、きちんと
定着長さ取れていますね。
コンクリートの壁と壁の接合部・交差部などは、鉄筋を折り曲げて「ある程度の長さ接続」します。
その「ある程度の長さ」には基準があり「定着長さ」と呼ばれています。
地下ではなかった、外壁を貫通する様々な設備配管たち。
これらの設備配管は、配筋時に「スリーブ」という穴を開けておきます。
コンクリート打設後に、「スリーブを通して配管する」ことになります。
共用階段が「浮かぶ歩道」のイメージの蚕糸の森アパートメント。
階段は跳ね出しで、
浮遊感を持たせました。
跳ね出しの階段を作るのは、かなり大変で、きれいに作るには「かなり高い技術」が必要です。
木造住宅で、「跳ね出し階段」を作った話を、上記リンクでご紹介しています。
太い鉄筋を密に
組んで、しっかり作りました。
イメージ通りの施工で、完成が楽しみです。
少し指摘事項ありますが、
概ねOKです!
指摘は是正して写真を送ってもらいますが、
とても丁寧な現場ですね!
はい。
有難う御座います!
1階の配筋検査が無事終了して、工事が続きます。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。