前回は「6つの「水に浮かぶ箱」による美術館+イノベーションセンター〜「ガラスの箱」と「水の回廊」・展示空間と道空間〜」の話でした。
ガラスとコンセプト・ドローイング:「ガラスの箱」が水面に映り込むイメージ

人工の池に、浮かぶように佇む美術館とイノベーションセンターの複合建築物を設計しました。
・揺らめく自然
・有機的ヴォイド
・道空間
・都市広場
・多様なる共生
揺らめく自然、有機的ヴォイドと道空間がメインコンセプトで、「ガラスの箱」が水面に映り込むイメージです。
今回は、この設計を進めるにあたって作成したコンセプト・ドローイングの話です。

このデザインの根幹は、下記の3つです。
・ガラスの箱
・コンクリート打ち放しの大きな壁面
・水面(静謐なイメージ)

ガラスの箱がスッと水面に佇むイメージを、いかに実現するかが大事なポイントです。

内部空間を作るのは、木の壁とコンクリート打ち放しの壁です。
それらの内部の壁面と、外部の大きなコンクリート打ち放しの壁面が直交して交錯します。
優しい雰囲気の線画のドローイング

透過性のあるコンセプチュアルなドローイングも良いですが、今回は線画のドローイングも作成しました。
線画のドローイングは、少しわかりにくい面がありますが、より要素を削ぎ落としたイメージになります。

デザインの根幹を
表現しやすいのが線画です。
優しい雰囲気である点も、線画のドローイングの良い点です。


今回は、対のボリュームが3種類あり、合計6棟の建築が並びます。
そして、それらの6棟の建築に、コンクリート打ち放しの大きな壁面が貫入する構成です。



「6棟の建築+大きな
コンクリート打ち放しの壁面」のイメージが分かりやすいです。


線画は、パースペクティブの方が、イメージがより伝わりやすいと思います。
今回は、6棟の建築が重なり合って、独特の奥行き感を持ちます。
これらの6棟の建築の外部がガラスで構成されているので、空間が重なり合って共鳴します。


「箱による建築」は、建築デザインの根幹的テーマで、無限の可能性があります。
今回の「美術館+イノベーションセンター 」では、その根幹的テーマを深く掘り出すことを目論みました。


透明感のあるカラーのドローイングも、線画のドローイングも、それぞれの個性があります。
今後も、設計プロセスにおいて、このようなコンセプト・ドローイングを作成してゆく予定です。