前回は「こんな建物があったらいいな アイデアは無限です③」の話でした。

こんにちは。
リノベーションはまず、解体するまでがドキドキということがあります。
練馬の家では、上棟の時の写真が何枚もあり、設計段階から軸組を割と把握できた為スムーズに進められました。

写真を見ながら、ここの梁は大きいから梁せい(梁の高さ)は300mmだろうな、など想像します。

まずは、調査・写真をもとに、
図面を復元しました。



ここは筋交があるから補強して壁にしよう、
など考えました。
それでも、想定外のこともありました。
柱があるとわかっていた場所に柱はあったものの、えぐられている部分も大きく、そのまま使うことは出来ない既存柱もありました。


リノベーションでは、可能な限り構造体は活かしたいという思いがあるのです。



臨機応変に、対応しなければならないことも
出てきます。
使えると思った柱を交換しないといけない!
テラスをつくる際に木の壁で囲むということにしましたが、元々はブロック塀で囲われていました。
家側から見た時に、ブロック塀の手前に木のルーバーで覆ってつくれば全体的に木の空間になると思い設計しました。



実際は、ブロック塀が積み上げられている途中途中に、
控え壁のブロック塀がありました。
控え壁は支えになっているので、外せないのです。


本来はスッキリした木の壁面としたかったのですが、直交した部分はぼこっと出てしまうことになりました。
それでも、職人さんに同材で綺麗につくっていただき、目立ちすぎず馴染む仕上がりとなりました。



しっかり現地を見ていても、気が付かない所もあるんだな。


階段はデザイン的にも機能的にも何度も検討を重ねた部分でした。
図面上は成り立ち、模型では簡単につくれたとしても、本当に作り上げられるのか、期待と不安がありました。
手摺をどう固定するかなども、色々と案を考えました。



出来上がった階段を上り下りした時は、
嬉しさと安堵の気持ちでいっぱいでした。


想定通りに完成してよかった! と思いました。
プロジェクトごとに、毎回様々な問題に直面します。



一つ一つ丁寧に解決して、
最終的に納得のいくものに仕上げてゆきます。



思いの詰まった建築が完成した時、
建主に喜んでいただけることは建築家冥利に尽きます。
これからも知識と経験を積み上げていき、より洗練された設計を目指していきます。