前回は「オリジナル鉛筆のデザインと開発〜先端が細くなるデザイン・特許取得と実用化・鉛筆製造工程とコストダウン〜」の話でした。
集合住宅から子どもが落下する事件と設計者の「安全性確保」の責務

筆者が代表を務める株式会社サイディーアでは、様々な分野の特許取得を行なっています。
2025年は、特許6件、意匠権7件、商標権1件、合計14件の知財を獲得に成功しました。
今回は、ルーバー建築に関する特許の話です。
集合住宅・マンションから、小さな子どもが転落・落下するニュースが後をたちません。
転落・落下した小さな子どもたちは、多くの場合で死に至ります。
落下防止には、手すりが有効であり、建築設計上は「1,100mm以上の高さの手すり」の確保が必要です。
そして、窓などの開口部の下端の高さが1,100mmを下回る場合は、安全手すりなどの設置が重要です。
つまり、一般的な建築において、手すりによって「1,100mmの高さ」が確保されています。
小さな子どもたちは、「1,100mmの高さ」を超えることは難しいはずですが、子どもたちは好奇心があります。
椅子を置くことなどによって、「1,100mmの高さ」を超えてしまうと、子どもたちは落下の危険性が高まります。
そのため、バルコニーやテラスに子どもがいる場合は、「大人が目を離さない」視点が重要です。
ところが、大人もずっと見ているのは大変な面があります。
子どもを持つ筆者としては、「大変でも親の責務」と考えますが、親が100%管理するのは困難な面があります。
そこで、建築サイドで「子どもたちの安全性を確保」することは極めて重要と考えます。
そして、建築設計者は、特に集合住宅などで「子どもたちの安全性を確保」するのは職業責務です。
子どもたちの安全性を確保する建築デザイン:ルーバーで包み込む建築
Vertical-L_P01_ele01ts
そこで、バルコニーなどの手すりや、窓の開口部に全面的にルーバーを設置するアイデアで特許取得しました。
本特許では、「窓など可動開口部全部」と「手すり部全部」の少なくとも一方に全面的にルーバーを設置します。
建築を全面的に「ルーバーで包む」イメージです。
このデザインには、様々な賛否両論がありそうで、最も重要なのは「居住性の確保」です。
ルーバーによって、自然光などが制御され過ぎることは、居住性の劣化につながる可能性があります。
また、バルコニー・テラスなどを、ルーバーで全面的に覆うことは、閉塞感につながる可能性があります。
その一方で、「子どもの落下防止を制御する程度の間隔」のルーバーならば、これらの問題を解決可能と考えます。
また、ルーバーによって、デザイン性を高めることが出来ることも重要です。
そして、なんといっても小さな子どもたちの生命や安全性を守ることを考えると、あり得るデザインと考えます。
Vertical-L_P01_ele01ts
現在、本デザインの具現化を目指しております。
今後も、建築デザインによって、建築の安全性や機能性を高めるアイデアを開発してゆきます。
