木の均等グリッドと柔らかな曲面壁面のコンセプトドローイング〜光や風を生み出す有機的ヴォイド〜|デザインのアイデア

前回は「木の温もりと自然が身近に感じられる住居型支援施設〜均等グリッドと市松状の小梁・均質性の中の多様性〜」の話でした。

目次

光や風を生み出す有機的ヴォイド

New Architectural Voyage
Wavering Forests : model (新建築未来紀行)

木の温もりが感じられる柱梁のグリッド構造に、柔らかな曲面の壁によって空間を包摂する施設です。

Yoshitaka Uchino

均等グリッドによる
強い空間の秩序を、曲面の壁面が包みます。

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Wavering Forests : model (新建築未来紀行)

均等グリッドの正方形の大梁の内部には、小梁を市松状に配置しました。

この「市松状の小梁」によって、様々な方向に耐震性が高まり、

Yoshitaka Uchino

小梁の向きの変化が、
空間に変化を与えます。

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Wavering Forests : Concept(新建築未来紀行)

柔らかい曲面の壁に包まれた均等グリッドの内部を、矩形のヴォイドが貫きます。

この矩形のヴォイドは「有機的ヴォイド」となり、建築内部に光や風を生み出します。

木の均等グリッドと柔らかな曲面壁面のコンセプトドローイング

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Wavering Forests : Concept(新建築未来紀行)

今回は、この「木の均等グリッドと柔らかな曲面壁面」のコンセプトドローイングの話です。

コンセプトドローイングを作成する際には、出来るだけ要素を削ぎ落として、シンプルにすることが大事です。

Yoshitaka Uchino

要素を削ぎ落として、
シンプルにするプロセスにおいて・・・

Yoshitaka Uchino

建築のアイデアの最も
重要な根幹が表出してきます。

デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー:YDS

・揺らめく自然

・有機的ヴォイド

・道空間

・都市広場

・多様なる共生

設計する際には、上記の5つのフィロソフィーから開始して、デザインコンセプトを作ってゆきます。

今回は、「柔らかな曲面の壁面」よりも先に、木の均等グリッドが先にありました。

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Wavering Forests : Concept(新建築未来紀行)

この木の正方形均等グリッドにおいて、小梁を市松状に配置して、空間の変化を生むことを考えました。

Yoshitaka Uchino

この辺りで、曲面の
壁面を考え始めました。

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Wavering Forests : Concept(新建築未来紀行)

均等グリッドの中に、箱状のアトリエやオフィスを配置して、建築の機能を満たします。

Yoshitaka Uchino

建主の要求した各部屋は、
シンプルな箱にしました。

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Wavering Forests : Concept(新建築未来紀行)

そして、今回は、アトリエ・オフィスのボリュームの上部に、そのまま同型の箱を配置しました。

これらが、施設で生活する人々の居室となります。

この箱同士の間の空隙が、相互の空間のバッファーゾーンとなります。

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Wavering Forests : Concept(新建築未来紀行)

そして、このバッファーゾーンに、矩形の中庭を挿入して、有機的ヴォイドを作りました。

箱同士の空間に、光や風が満たされるコンセプトです。

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Wavering Forests : Concept(新建築未来紀行)

そして、最後に「柔かな曲面の壁面」によって、建築全体を包摂して、空間を生み出しました。

Yoshitaka Uchino

全体的にグリッドの秩序が、
かなり強い建築デザインです。

Yoshitaka Uchino

そこで、この「柔かな曲面の壁面」によって、
空間に変化と潤いを生みます。

設計のプロセスにおいては、これらのことを頭の中かスケッチで検討してゆきます。

このように、「アイデアをコンセプトドローイングで具現化」すると、デザインの密度が深まってゆきます。

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