森の中の図書館のコンセプト・ドローイング〜抽象化したドローイングから見えること・「新たな発見」とデザイン〜|未来生む建築設計2

前回は「森の中の図書館の新築計画・設計のコンセプトとアイデア〜鉄筋コンクリート造と木造の混構造・優しさと強さの対比〜」の話でした。

目次

森の中の図書館のコンセプトドローイング

New Architectural Voyage
Water Square(新建築未来紀行)

自然に恵まれた計画地に、「読書の空間」である「森の中の図書館”Water Square”」を設計しました。

シンプルなコンクリート打ち放しのボリュームを大きな、コンクリート打ち放しの壁が貫きます。

Yoshitaka Uchino

「特別な読書の空間」を
目論んでいます。

今回は、この計画案のコンセプト・ドローイングの話です。

新建築紀行
蚕糸の森アパートメント模型(新建築紀行)

設計の際には、たくさんの模型を作成します。

模型に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

模型は「依頼主に説明する」ためのものがメインですが、

Yoshitaka Uchino

設計のためのスタディ・モデルを
たくさん作成します。

スタディ・モデルは、設計案を検討するための「ラフな模型」です。

「ラフな模型」なので、スケールは小さく、抽象的であることが多いです。

Yoshitaka Uchino

主に空間構成や
プロポーションを確認するために作成します。

模型に対して、コンセプト・ドローイングは、設計が終わった後に作成することが多いですが、

Yoshitaka Uchino

私たちは、コンセプトを具現化するために
設計中に作成することも多いです。

New Architectural Voyage
Water Square:コンセプトドローイング(新建築未来紀行)

今回は、コンクリート打ち放しのボリュームを「透明なボリューム」で表現しました。

そして、内部の木造の柱・梁と、建築を貫く大きなコンクリート打ち放しの壁を表現し、

Yoshitaka Uchino

周囲の水盤は、
透明に表現しました。

抽象化したドローイングから見えること:「新たな発見」とデザイン

New Architectural Voyage
Water Square:コンセプトドローイング(新建築未来紀行)

このように色を少なくして、出来るだけ抽象化すると、

Yoshitaka Uchino

コンセプトが
ハッキリ見えてきます。

デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー:YDS

・揺らめく自然

・有機的ヴォイド

・道空間

・都市広場

・多様なる共生

私たちは、設計・デザインする際に、上記5つのフィロソフィーを軸に考えます。

形やデザインよりも、設計の根幹となるフィロソフィーとコンセプトを重視しています。

New Architectural Voyage
Water Square:コンセプトドローイング(新建築未来紀行)

そのため、コンセプトを具現化するコンセプト・ドローイングは、

Yoshitaka Uchino

設計の際に、
頭の中にすでにあります。

「頭の中にすでにある」のですが、模型もドローイングも、作成して見えること・分かることがあります。

このようなドローイングを作成する中で、「新たな発見」があることがあります。

New Architectural Voyage
Water Square:コンセプトドローイング(新建築未来紀行)

質感を与えたコンセプト・ドローイングも良いですが、上のような線画も良いです。

線画は「モノクロ」も良いですが、今回は、木造の部分は、木の質感を与えています。

Yoshitaka Uchino

コンクリートと
木造の対比がハッキリわかります。

このように、設計中もコンセプト・ドローイングを作成して、設計の精度を上げてゆきます。

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