前回は「森の中の図書館の新築計画・設計のコンセプトとアイデア〜鉄筋コンクリート造と木造の混構造・優しさと強さの対比〜」の話でした。
森の中の図書館のコンセプトドローイング

自然に恵まれた計画地に、「読書の空間」である「森の中の図書館”Water Square”」を設計しました。
シンプルなコンクリート打ち放しのボリュームを大きな、コンクリート打ち放しの壁が貫きます。

「特別な読書の空間」を
目論んでいます。
今回は、この計画案のコンセプト・ドローイングの話です。


設計の際には、たくさんの模型を作成します。
模型に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
模型は「依頼主に説明する」ためのものがメインですが、



設計のためのスタディ・モデルを
たくさん作成します。
スタディ・モデルは、設計案を検討するための「ラフな模型」です。
「ラフな模型」なので、スケールは小さく、抽象的であることが多いです。



主に空間構成や
プロポーションを確認するために作成します。
模型に対して、コンセプト・ドローイングは、設計が終わった後に作成することが多いですが、



私たちは、コンセプトを具現化するために
設計中に作成することも多いです。


今回は、コンクリート打ち放しのボリュームを「透明なボリューム」で表現しました。
そして、内部の木造の柱・梁と、建築を貫く大きなコンクリート打ち放しの壁を表現し、



周囲の水盤は、
透明に表現しました。
抽象化したドローイングから見えること:「新たな発見」とデザイン


このように色を少なくして、出来るだけ抽象化すると、



コンセプトが
ハッキリ見えてきます。
・揺らめく自然
・有機的ヴォイド
・道空間
・都市広場
・多様なる共生
私たちは、設計・デザインする際に、上記5つのフィロソフィーを軸に考えます。
形やデザインよりも、設計の根幹となるフィロソフィーとコンセプトを重視しています。


そのため、コンセプトを具現化するコンセプト・ドローイングは、



設計の際に、
頭の中にすでにあります。
「頭の中にすでにある」のですが、模型もドローイングも、作成して見えること・分かることがあります。
このようなドローイングを作成する中で、「新たな発見」があることがあります。


質感を与えたコンセプト・ドローイングも良いですが、上のような線画も良いです。
線画は「モノクロ」も良いですが、今回は、木造の部分は、木の質感を与えています。



コンクリートと
木造の対比がハッキリわかります。
このように、設計中もコンセプト・ドローイングを作成して、設計の精度を上げてゆきます。