前回は「「日本三大清流」の一つの四万十川・川下り〜水面と建築デザイン・水面で揺らめく山々たち〜」の話でした。
不思議な四万十川の沈下橋たち:美しい四万十川と四国の山々

高知県西部にある四万十川を川下りしました。
岐阜県・愛知県の長良川、静岡県の柿田川と共に「日本三大清流」と呼ばれている四万十川の水質は綺麗です。
美しいほど綺麗な川の流れを持つ四万十川。
四万十川の流域長さは、四国一であり、日本全国で11位です。

川下りをしていると、他の川下り船にも出会います。
緑が美しい山々と水質が美しい四万十川の風景は、美しい日本の風景を代表する一つです。

四万十川にかかる橋を自動車が見えてきました。
よく見ると、不思議な橋です。

近くで橋を見た光景が、上の写真です。
Yoshitaka Uchino驚いたことに、
橋に手すり・ガードレールがありません。
この「橋に手すり・ガードレールがない」ことは、走行に危険が発生しますが、理由があります。



四万十川には
いくつかの橋がかかっています。



その橋の中には、
ご覧の通り、手すりがない橋があります。



手すりがない橋は
「沈下橋」と呼ばれます。



沈下橋は、四万十川が
増水する際に、「沈下する」橋です。
これらの「手すり・ガードレールがない」橋は、沈下橋と呼ばれ、増水の際に本当に沈下するようです。
シンプルな風景に溶け込むデザイン:力を受け流す構造デザイン


慣れないと、少し危険であるように感じられる沈下橋。
「沈下する」ということは、増水した水の流れの大きな力を受けることになります。
これは、大変なことであり、増水のレベルにもよりますが、沈下時にはかなり大きな水圧が橋にかかりそうです。



昨年の増水の際には、
沈下橋は、全て沈みました。
四万十川が増水した時は、「全て沈下する」こともある沈下橋。
増水した水の水圧を受けた際に、倒壊することを免れる必要があります。
そのためには、橋にかかる水圧の力を出来るだけ軽減する必要があります。
そこで、橋には手すりやガードレースをつけないことで、これらの水圧を軽減していると思われます。
いわば「力を受け流す構造デザイン」が、これらの沈下橋のシンプルなデザインです。


そして、確かに、この風光明媚は四万十川と四国の山々においては、シンプルなデザインの橋の方が望ましいです。


多少危険性が増しますが、出来るだけ「倒壊しない」ためのシンプルなデザイン。
そして、風景に溶け込むシンプルなデザイン。
鉄筋コンクリート造の「シンプルの極地」とも言えるのが、沈下橋のデザインです。
四万十川の沈下橋たちのシンプルデザインは、デザインの最も大事なことを教えてくれます。
四国方面を訪問する際は、ぜひ、四万十川川下りを体験してみてください。

