前回は「白い城壁が美しい小田原城〜滑らかなコンクリートの表面仕上げ・リアルな実物大フィギュア「小田原評定」〜」の話でした。
自分も参加できる小田原城「等身大小田原評定フィギュア」

「小田原評定」の等身大フィギュアが展示されている小田原城。
この「等身大フィギュア」の良い点は、「自分も一緒に参加できる」ことです。
模型やフィギュアは大きい方が、リアルで分かりやすいですが、いずれに「見る」のが基本です。
それに対して、「自分も一緒に参加できる」のが、小田原城の「小田原評定等身大フィギュア」の優れた点です。

模型は様々な角度から見ると、色々な発見があります。
この「小田原評定フィギュア」もまた、色々な角度から見ると、当時の様子がよく分かり、面白いです。

この時の当主(ボス)は、五代目・氏直でしたが、事実上は四代目・氏政でした。
フィギュアにおいても、中央に座っている「ちょっと頼りない雰囲気」の若造・氏直。
対して、実権を握っていた氏政は偉そうで、ど迫力です。

このような「小田原評定」の悪名高い小田原城ですが、戦闘向けの城郭であり、上のような鉄砲狭間が多数あります。
ここから、鉄砲の銃口を差し込んで、ガガーンと撃って籠城戦を戦い抜く仕組みです。
江戸時代の工法による美しい漆喰の土壁:何重にも塗り重ねられた強固な塀

ここ小田原城では、城壁の復元の施工が展示されています。
上のような、真っ白な漆喰の美しい城壁は、何重にも塗り重ねられて作られています。

まずは、竹で縦横に綿密にした時を組んで、土で固めて土壁を作ります。
その上に、3つの分厚い層があって、最終的に砂漆喰で仕上げられています。

この土塀模型は、江戸時代の工法・技術をもとに復元した銅(あかがね)門の工法です。

銅(あかがね)門は、最初に内堀を渡ったところにあった門です。
この門のどの程度の部分が、実際にこの土塀で作られているかは不明ですが、

昔ながらの工法で作られていることは、
とても好感が持てます。
基本は鉄筋コンクリート造であり、歴史的には「味気が少ない」小田原城ですが、



かつての工法による土塀があるのは、
とても良いです。


大きな門がさらにあり、広大な小田原城に「ある種の風格」を与えています。



これほど、城内に大きな門がある
城は珍しいです。


そして、いよいよ小田原城の天守・本丸が見えてきました。
広大な小田原城にあって、天守周辺も広大です。
天守自体は、おそらく全てが鉄筋コンクリート造ですが、屋根の反りなどが美しく復元されています。
次回は、さらに城内へ入ってゆきます。