光と影のドローイング〜光の陰影を如実に物語るイメージ・周囲の喧騒を遮断する白い箱の家・自然の光を取り込む有機的ヴォイド〜|豊島の家・ドローイング1

前回は「会話のはずむ楽しいキッチン〜広々とした対面式キッチン・楽しいひとときを生み出す料理の時間〜」の話でした。

目次

周囲の喧騒を遮断する白い箱の家:自然の光を取り込む有機的ヴォイド

新建築紀行
豊島の家:外観(新建築未来紀行)

賑やかな商店街の一角において、建築された豊島の家。

角地で、比較的広い道路が交差する計画地は、昼も夜も賑やかです。

この賑やかな地において、個人邸を設計する依頼を受けました。

この家を設計するにあたり、出来るだけ周囲の喧騒から離れ、光の移ろいを感じられる空間を目指しました。

デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー:YDS

・揺らめく自然

・有機的ヴォイド

・道空間

・都市広場

・多様なる共生

当初のコンセプトで目指したのは、ゆらめく自然と有機的ヴォイドでした。

広い計画地でしたが、建主が計画地の一角をコインパーキングにして、事業収入を得ることを目的としていました。

駐車場を計画する際は、パーキングスペースと入車経路を入念に検討する必要があります。

角地であったため、様々な駐車場を検討した結果、片方の道路に面してまとめてコインパーキングを設置しました。

コインパーキングを設置するため、不特定多数の人が家の目の前を通り、自動車による騒音も想定されます。

そこで、周囲の喧騒を遮断する白い箱の家を考えました。

そして、有機的ヴォイドによって自然の光を取り込むデザインを考えました。

光と影のドローイング:光の陰影を如実に物語るイメージ

新建築紀行
豊島の家:コンセプト模型(新建築紀行)

様々なスタディ模型をつくり、上のコンセプト模型に到達しました。

白い箱は、外部に面する開口部を出来るだけ制限し、周囲からの喧騒から、住空間を守りました。

また、プライバシーを守るため、開口部を出来るだけ小さく、少なくしました。

空間イメージとしては、自然の光は全て有機的ヴォイドから確保し、開口は通風をメインとする発想です。

自然光が変化する三大要素

光の方向、強さ、色味

そして、自然の光の方向、強さ、色味を様々感じられる空間を目指しました。

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豊島の家:ドローイング(新建築紀行)

そして、上のようなドローイングを作成し、光の入り方などを入念に検討しました。

「光のテラス」となる2階テラスからは、光のテラスに充満した光が、住空間を満たします。

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豊島の家:リビングとテラス(新建築紀行)

このイメージのもと、フィックスサッシュは、既製品ではなく全てオリジナルで制作しました。

そして、綿密にフラットバーで作られたサッシュ枠を慎重にデザインしました。

上のドローイングを作成したことは、イメージの具現化に役立ちました。

この建築空間を生み出すプロセスにおいて、必須のドローイングであり、今後も作成してゆこうと思います。

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