前回は「「世界の最先端文明との結節点」だった種子島〜雄大な海が広がる「鉄砲伝来の地」門倉崎・日本古来の木造建築技術と鉄砲の国産化〜」の話でした。
二つの卵型ドームの福井県立恐竜博物館
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM103m.jpg)
昨年2023年7月にリニューアルオープンを迎えた福井県立恐竜博物館。
2000年7月に開館した、この建物は黒川紀章氏の設計です。
この「恐竜の卵」をイメージした造形は非常に分かりやすく、学生時代に知った時は、
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
「恐竜の卵の建築デザイン」は
少し大味なのでは・・・
と感じたのが事実でした。
デザインのモチーフとして、「分かりやすい造形」を選択する傾向があった黒川紀章。
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/FukuokaB107m-1024x768.jpg)
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/FukuokaB107m-1024x768.jpg)
個人的には、黒川紀章氏の建築はとても好きです。
福岡銀行本店はコンセプトが明快で、「銀行」という建築にも関わらず、大きな試みがなされています。
「銀行」に「銀行にようのない方も憩える広場」をデザインした黒川紀章。
そのデザインコンセプトを生み出す力は卓越していました。
子どもがとても恐竜が好きで、この恐竜博物館のことを何かの本で知り、
この恐竜博物館に
行ってみたい!
と、ずっと言っていました。
そこで、リニューアルオープンを機に、子どもと一緒に訪問しました。
開館からちょうど23年後に「大きな卵型ドーム」に「小さな卵型ドーム」を付け加えたデザインです。
この「類似のデザインを付加する」発想は、
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
まさしく、黒川紀章のメタボリズムの
発想で分かりやすいな・・・
と思いました。
かつては「分かりやすすぎるのでは」と思った「恐竜の卵型ドームのデザイン」ですが、車で近づくと、
あっ!
あの卵の博物館だ!
と子どもは「卵型ドームの建築」に気付きました。
少し小高い山の中にある福井県立恐竜博物館は、この卵型ドームが勝山市内の道路からよく見えます。
この「子どもでも分かるイメージ・アイコン」という意味では、とても良いと思いました。
運転していたのは僕ですが、僕も遠くに「卵型ドーム」を見て、
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
恐竜博物館と勝山市の
シンボルとして、とても良いデザインだな。
と思いました。
この「卵型ドーム」のアイデアは建築デザインとして、とても良いと思いました。
こういうことに気づくのは「実際に見に行く事」の醍醐味です。
この点では学生時代の考えとは大きく変わり、「卵型ドーム」に好感を持ちました。
卵型ドームの雄大な展示空間と「巨大な恐竜の世界」
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM239m.jpg)
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM239m.jpg)
早速、子どもと一緒にエントランスを入ると、巨大な吹き抜け空間をエスカレーターで下がります。
まさに「恐竜の世界」に入ってゆくイメージです。
トップライトは、黒川氏がよく使う円錐形のデザインで、丸い穴から自然光が降り注ぎます。
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM247m.jpg)
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM247m.jpg)
途中に様々な展示があり、進んでゆくと「大卵型ドーム」の中に入りました。
あっ!
たくさん恐竜がいる!
科学博物館などでも恐竜の展覧会を見てきましたが、
こんなにたくさんの
恐竜は、初めてだよ!
子どもは大興奮です。
「恐竜の卵型ドーム」の外観も良いですが、「卵型ドーム」の内観は巨大な卵の中にいる気持ちです。
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM286m.jpg)
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM286m.jpg)
他に多くの恐竜の骨格などに出会える博物館はありますが、数だけでなく展示空間も大事です。
この福井県立恐竜博物館の唯一無二の「巨大な卵型ドーム」の展示空間は圧巻です。
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
「恐竜の世界」にいる
気持ちが、子どもにも大人にも心地よいです。
増築された小卵型ドーム
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM249ms.jpg)
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM249ms.jpg)
とにかく恐竜、恐竜の展示が続き、子どもたちは、
とても
広い博物館だね!
と大興奮です。
展示空間の広さでは、上野の科学博物館の方が広いですが、
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
「恐竜の世界」が具現化した
ような展示空間は、とても良いです。
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM309m.jpg)
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM309m.jpg)
新たに付け加えられた「小卵型ドーム」の内部空間も、「卵らしさ」が際立っています。
増築された「小卵型ドーム」は展示空間と共に、収蔵庫となる部分が多いです。
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM334m.jpg)
![New Architectural Voyage](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2024/05/Fukui_DinoM334m.jpg)
道路から見える「大卵型ドーム」は、「卵の存在」が非常に際立っています。
周辺では化石発掘体験などもでき、建物だけでなく博物館の敷地全体が「恐竜の世界」です。
展示された多数の恐竜の骨格たちだけでなく、「恐竜の世界」を満喫できる博物館。
それは、まさにこの福井県立恐竜博物館だけだと思います。
恐竜のことが
色々と分かるね!
子どもたちの「学びへの意欲」を大いに刺激する展示空間です。
リニューアルオープンして、さらに楽しみが増えた福井県立恐竜博物館を訪問してください。
次回は下記リンクです。