戦国時代の痕跡を色濃く残す遺跡・一乗谷朝倉氏遺跡〜巨大な一乗谷の都市模型・アイレベルで見るリアルな模型の発見〜|越前一乗谷3・建築と旅

前回は「『都市・街全体の遺跡』の一乗谷遺跡博物館〜越前福井という国の「歴史的骨太さ」を示すデザイン・模型のスケールから原寸大のスケールまで楽しめる空間〜」の話でした。

目次

巨大な一乗谷の都市模型:アイレベルで見るリアルな模型の発見

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福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(新建築未来紀行)

一乗谷博物館で、巨大な「戦国時代の一乗谷の都市・街」の模型がありました。

かなり大きなスケールの復元模型で、見応えがあります。

このような大きな模型は俯瞰して眺めることが多いですが、少し屈んで見てみると、

Yoshitaka Uchino

目線・アイレベルで見てみると、
当時の雰囲気を感じることが出来ます。

新建築紀行
熊本の家:1/30模型(新建築紀行)

この「アイレベルで模型を見る」発想は、設計において非常に大事です。

「アイレベルで空間を体験する」のはCGやバーチャルリアリティの方が、具体的です。

一方で、模型には「模型でしか感じられない実物感・リアルさ」があるのが大事です。

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熊本の家:1/30模型(新建築紀行)

設計の際に、大きな模型を作成して「自然の光がどのように入るか」を検証することもあります。

Yoshitaka Uchino

自分が模型の中に入って、
その空間の中にいるイメージです。

「かつての一乗谷」の復元模型はディテールが丹念に作り込まれていました。

Yoshitaka Uchino

少し屈んで様々な角度から見てみると、
色々な発見があります。

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館を訪れる方は、ぜひ色々な角度で模型をご覧ください。

戦国時代の痕跡を色濃く残す遺跡・一乗谷朝倉氏遺跡

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一乗谷朝倉氏遺跡(新建築未来紀行)

そして、一乗谷朝倉氏遺跡博物館のすぐそばにある、一乗谷朝倉氏遺跡を訪れました。

戦国時代では「越前の王」であった朝倉家の首都であった越前。

この「谷間の大都市」というコンセプトは、非常に珍しいです。

現代のように、陸路や空路の物流が盛んでなかった当時は、海路が極めて重要でした。

海路によって、様々な物資が運ばれていた当時は、大都市は「海に近い」位置が多いです。

現在の福井県である越前は、大きく日本海に開けた国でした。

「海に近い」街は多数あり、当時から敦賀・三国湊などの港湾都市は賑わっていました。

その中、「内陸の谷間にあった越前首都・一乗谷」は、日本の歴史において特異な都市です。

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一乗谷朝倉氏遺跡(新建築未来紀行)

昭和に発見された一乗谷の遺跡は、

歴史家

これはすごい!
戦国時代の遺跡が、かなり残っている!

江戸時代・明治時代・大正時代を経て、昭和となる過程において、様々な工事が行われました。

時には、地形を大きくかえる造成工事が行われた地域も多数あります。

そのため、「戦国時代の痕跡を色濃く残す遺跡」は非常に少ないのが現実です。

その中、極めて貴重な「戦国時代の香り」が感じられる一乗谷遺跡。

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一乗谷朝倉氏遺跡(新建築未来紀行)

遺跡の一角には、「一乗谷の街を実物大で復元した街」があります。

外の遺跡のリアリティーは、非常に力強く、往時を偲ぶことが出来ました。

この復元都市は、その場所にあった都市です。

そのため、「谷間の一乗谷」がリアルに復元されていて、街や建物からは山が見えます。

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一乗谷朝倉氏遺跡(新建築未来紀行)

復元された一乗谷の街の道空間を歩くと、両側に山が見えます。

Yoshitaka Uchino

「谷間の都市」なので
両側に山があって、緑が美しいです。

ここでしか体験できない「戦国時代の街・一乗谷」は、この谷間のリアリティが楽しめます。

ぜひ、一乗谷朝倉氏遺跡を訪れてください。

次回は上記リンクです。

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