前回は「名建築から学ぶこと 1〜有名建築物の模型作成・模型を作って分かる設計者の意図・小篠邸と住吉の長屋とサヴォア邸」の話でした。
名建築から学ぶこと 1〜有名建築物の模型作成・模型を作って分かる設計者の意図・小篠邸と住吉の長屋と…
優れた作品の模型を作り、学ぶ
目次
住吉の長屋の模型づくり:空間構成と素材感
こんにちは。
今回は、名建築の模型を作った時のことを、お話ししたいと思います。
こちらは安藤忠雄さんの出世作、住吉の長屋です。
安藤さんの作品は、打ち放しコンクリートの建築が多数あります。
安藤建築の根幹である「打ち放しコンクリート」の素材感は、極めて重要です。
そのため、模型では「打ち放しコンクリート」の素材感をグレーで表現することも一つの手です。
今回は、建築空間の構成を模型で再現するので、模型では白で表現しています。
模型作成の方法:拡大図面と完成後のイメージ
作品集に乗っている図面を、作りたい縮尺に合わせて拡大コピーをします。
Mana Muraki
今回は、1/50のスケールで
作成します。
高さなどは、立面図や断面図などから追っています。
模型専用の「スチのり」という接着剤で、固定していきます。
作成するときに、外壁全てを固定してしまうと、内部空間が分かりにくくなります。
完成後、建物をどのように見せたいか、という視点も模型づくりでは重要です。
撮りたい写真の構図なども考えながら、作成します。
まずは、図面を読み込んで、模型の全体像を掴みます。
接着する部分と、
取り外せる部分を決めます。
極めてシンプルでありながら、際立って大胆な構成です。
これで良いと認めてくれた建主もまた、デザインへの理解が際立ています。
建主の理解にも
共感します。
ディテールまでこだわった、この「住吉の長屋」という作品。
この住宅の魅力を、再度発見しながらつくりました。
次回は上記リンクです。