前回は「ゲームプログラムの開発 2〜「静的な地図」が「動的な地図」へ・無限の可能性秘める「円のデザインの繰り返し」・ドローイングとゲームプログラム〜」の話でした。
時々刻々変化する「有機的地図」と歴史シミュレーションゲーム
前回まで、新機軸歴史シミュレーションの全体地図の説明をしました。
このゲームの特徴は、地図の明瞭度、見え方が、透明度やグラデーションなどによって変化する点です。
まさに「有機的地図」とも言える
今回は、具体的に合戦の際ゲームプレイをご説明します。
説明内容は、公開されている「特許公報」の文章、図と同様です。
図に関しては、より分かりやすいように修正してご説明します。
上の図は、1555年における織田家の尾張周辺の支配領域を拡大する地図であり、全てが明らかとなった状況の説明図です。ユーザプレイ大名所属の城、砦は白色、コンピュータ大名所属の城、砦はグレーです。織田家がほぼ支配下に収めている尾張には、ユーザプレイ大名・織田家本城(本拠地の城)は1つ、織田家所属の城は2つ、織田家所属の砦は2つあります。尾張の周囲には、コンピュータ大名所属の城、砦が多数あり、図にて確認できる範囲に、コンピュータ大名所属の城は3つ、コンピュータ大名所属の砦は、7つあります。
上の図は、プレイする時点において、地図生成部が作成する第1地図の概略を示す説明図です。地図において、ユーザプレイ大名・織田家の地図情報力を元に分布図生成部は、地図情報力分布図を随時生成します。本拠地の城周辺は全容が明らかとなっており、尾張内部にコンピュータ大名の砦が1つあり、本城から遠ざかるに従って、地図は見えにくくなっています。
尾張と美濃、三河、伊勢の国境付近は、コンピュータ大名の城、砦がいくつか確認できるが、国境付近以外の状況は、ほぼ不明の状況です。
この「霧がかかったような地図」において、プレイすることは「暗中模索する」感じになります。
線画ドローイングから発想する「揺らめく地図」と「霧のような地図」
そして、この「霧がかった地図」において、敵軍が攻め込んでくることは、スリルを感じます。
上の図は、第1地図にて、三河からコンピュータ大名である今川軍部隊が、織田領である尾張に攻め込んできた図です。
この時点で、今川軍部隊は、尾張と三河の国境付近におり、織田家をプレイするユーザは、今川軍部隊に気付かず、今川軍部隊に対し、織田軍の出陣等の対処をしない状況です。
上の図は、今川軍部隊が織田家本城に向けて進軍を続けている状況をユーザが認識する時点の図である。今川軍部隊は、尾張と三河の国境付近にいるため、その全容はこの時点でも不明です。
上の図は、先ほどの図の状況の直後、進軍を続ける今川軍部隊に対し、ユーザは織田家所属の城から織田軍部隊を一部隊ずつ出陣する状況を示す図です。
ユーザは、織田家所属の城からの更なる部隊の出陣、本城からの部隊の出陣を検討します。
上の図は、織田軍部隊と今川軍部隊が接触し、交戦を開始する状況である。織田軍部隊と今川軍部隊の合戦の状況次第で、ユーザは更なる織田軍部隊の出陣を検討する。今川軍部隊の率いる武将名、武将の能力、兵士数、部隊の種類などの情報を探知する機能があっても良いです。
このように、地図生成部1作成する第1地図は、地図の一部をユーザが認識できないことによって、不意にコンピュータ大名が攻め込んでくるなど、コンピュータ大名の挙動が分かりにくい点が、ユーザのプレイする楽しみを向上させます。
人間の実生活上の地図認識は、特定の地点において、「分かる」と「分からない」が明確に分かれるのではなく、段階的に、連続的となることが多いです。

本ゲームの発想は、シンプルな線画によるドローイングを描く発想を発展させた、と考えます。

リアルなCGとは、対極的な、シンプルで、要素を削ぎ落とした線画のドローイング。
そして、このシンプルだからこそ、建築が自然に合わせて揺らめくイメージを炙り出します。
デザインの発想から生み出した、新機軸の歴史シミュレーションゲーム。
現在、新機軸の戦国アクションゲームの開発も並行して進めており、改めてご報告します。
