前回は「公園や樹木との関係性を表現した断面図〜壁面の配置が明快な壁式構造・「公園と都市と一体となった建築」のドローイング〜」の話でした。
スッと佇む整然とした建築デザインと自然を尊重する姿勢:自然との共生の形

大きな公園に面する、とても貴重な立地である蚕糸の森アパートメント。
設計コンセプトは、「自然との融合」であり、「揺らめく自然」「多様なる共生」を意図しました。
「自然との融合」を目指すデザインでは、デザイン自体が有機的な建築デザインを見かけます。
筆者は、これらの「不整形である有機的デザイン」に対して、「整然としたデザイン」を追い求めています。

断面図では、公園の森や樹木が建築と一体化するイメージを描きました。

壁構造である、この建築は、閉じるべきところは閉じ、開けるべきところは開けていることがポイントです。

デザイン自体が有機的で「自然と調和している」というコンセプトよりも、整然とした建築が望ましいと考えます。
建築自体が主張しすぎるのではなく、自然に囲まれて、建築がスッと佇んでいるのが理想と考えます。
そのような姿勢こそが、自然を尊重する建築であると考えます。
発想を飛躍させるドローイング:建築と都市と自然の結節点

今回は、自然と建築の融合するイメージのドローイングの話です。
上のドローイングは、極めて簡略化したデザインとしています。
建築の用途や法規制などから、直方体から一部直方体が欠かれた形状の蚕糸の森アパートメント。
上のドローイングでは、建物の外形を直方体にまで還元して描いています。
最も重要なコンセプトである、垂直動線の階段と自然の結びつきをイメージしたドローイングです。

公園の樹木を建築内部に引き込む、共用階段の空間。
この共用階段の空間は、建築と都市と自然の結節点です。
ここで、ポイントは、建築ではなく、自然を主体として描いていることです。
そして、垂直動線の空間をスカイブルーとして、空をイメージしています。
このドローイングによって、建築コンセプトがリアルに具現化しました。
このような発想のもと、設計の詳細を進めてゆきました。
このドローイングを作成することは、設計コンセプトをクリアにするだけではなく、
様々なディテールに至るまで、発想の飛躍をもたらしました。
今後も、このようなイメージ・ドローイングを作成してゆこうと思います。
