前回は「光と影のドローイング〜光の陰影を如実に物語るイメージ・周囲の喧騒を遮断する白い箱の家・自然の光を取り込む有機的ヴォイド〜」の話でした。
目次
アイコニックなデザインと有機的ヴォイド:外観デザインと「光の箱」

シンプルな直方体の白い箱に、直方体のテラスが貫入した豊島の家。
この「直方体の箱に、直方体のボリュームを貫入させる」デザインは、多くの例があります。
アイコニックなデザインであるため、昔から多くの建築家が同様のデザインの建築を設計しています。
デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー:YDS
・揺らめく自然
・有機的ヴォイド
・道空間
・都市広場
・多様なる共生
私たちは、アイコニックなデザインだけではなく、「揺らめく自然」と「有機的ヴォイド」を実現したいと考えました。

テラスが「貫入するデザイン」という「外観デザイン」に留まらず、「光の箱」となるイメージです。
空間を満たす「淡い陰影」のドローイング:「陰影が空間を生む」イメージ

そして、上のようなドローイングを作成し、「陰影で空間をつくる」ことを目論みました。
写真では様々な色が登場しますが、「モノクロの暗闇を淡い光が満たす」空間イメージです。
設計の途中から、上のようなドローイングを作成し、空間イメージを進化さえてゆきました。

外部テラスに集まった光は、その空間から新たに住空間に光がもたらされます。
淡い光は、刻々変化し、住まいの中に「淡い陰影」をもたらします。

「光が空間を生む」のが本来の建築空間ですが、ここでは「陰影が空間を生む」イメージです。

コンセプトモデルと、これらのドローイングを作成しながら、設計を進めて行きました。

ヴォイドは「光のヴォイド」となり、住空間の求心的な場となりました。
