デザインを表現するシンプルなコンセプト・ドローイング〜建築の構成を具現化するエレベーション・ドローイング〜|アイデア・都市型集合住宅2

前回は「アイデアと高い合理性による「経済性重視」の都市型集合住宅〜都市から見える建築に抱かれた自然の森・建築から都市へ〜」の話でした。

目次

デザインを表現するシンプルなコンセプト・ドローイング

New Architectural Voyage
The Shell A(新建築未来紀行)

均等グリッドのシンプルなデザインに、円弧の壁面を加えて、中庭を生み出す集合住宅。

ここでは、住まい手が思い思いに中庭の樹木を楽しむことができます。

円弧と均等グリッドの箱の間に生まれた中庭の上部には、大きく跳ね出したテラスがあるのが特徴です。

The Shell A : Concept(新建築未来紀行)
The Shell A (新建築未来紀行)
デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー:YDS

・揺らめく自然

・有機的ヴォイド

・道空間

・都市広場

・多様なる共生

私たちの「5つのフィロソフィー」から、多くの要素を盛り込んだデザインです。

ここでは、「揺らめく自然」「有機的ヴォイド」「都市広場」「多様なる共生」を意識しました。

今回は、これらのフィロソフィーやアイデアを顕在化させるコンセプト・ドローイングの話です。

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The Shell A : Concept Drawing A(新建築未来紀行)

上のドローイングAは、均等グリッドと円弧の壁面のみを取り出したコンセプト・ドローイングです。

最もシンプルで、要素を削ぎ落としたドローイングです。

New Architectural Voyage
The Shell A : Concept Drawing B(新建築未来紀行)

上のドローイングBは均等グリッドと円弧の壁面に加えて、ボリュームを盛り込んだコンセプト・ドローイングです。

均等グリッドのうち、建築の内部空間となる部分と外部空間となる部分が明確に表現されています。

上の二つのコンセプト・ドローイングは、好みが別れそうですが、

Yoshitaka Uchino

後者の方が、
よりデザインを表現できているので好きです。

建築の構成を具現化するエレベーション・ドローイング

New Architectural Voyage
The Shell A : Concept Drawing C(新建築未来紀行)

上のドローイングCは、ドローイングAの画角を変更し、グリッドを正面から見たアクソノメトリック図です。

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The Shell A : Concept Drawing D(新建築未来紀行)

同様に、ドローイングDは、ドローイングBの画角を変更し、グリッドを正面から見たアクソノメトリック図です。

ドローイングA,Bの画角と、ドローイングC,Dの画角では、一般的には、A,Bの画角の方が分かりやすいです。

一方で、ドローイングC,Dは建築の構成を際立たせるドローイングで、この画角が好きな方は多いです。

Yoshitaka Uchino

筆者も、この画角の
アクソメを好んでいます。

New Architectural Voyage
The Shell A : Elevation Drawing E(新建築未来紀行)

少し一風変わった、上のようなエレベーションのコンセプト・ドローイングも、建築の構成をよく示しています。

エレベーションは、アクソノメトリック図よりも全体像が分かりにくいですが、要素を削ぎ落とすことで、

Yoshitaka Uchino

空間にグラデーションが
生まれて、良いイメージができます。

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The Shell A : Elevation Drawing F(新建築未来紀行)

エレベーション・ドローイングEに、スラブを加えた図が、上のエレベーション・ドローイングFです。

スラブを付加することで、建築の構成がより明確になっています。

このように、様々なコンセプト・ドローイングは、建築のアイデアをキリッと際立たせます。

そして、これらのコンセプト・ドローイングを作成する過程で、デザインも先鋭化されてゆきます。

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