デザインのプロセスをドローイングで表現〜発想を形に投射・透明度の表現と空間構成〜|Quartz2・ドローイング

前回は「都市空間に刺激を与える複合建築〜都市のアクティビティを建築へ・都市の有機的ヴォイド・「都市の余白」が生み出す未来〜」の話でした。

目次

デザインのプロセスをドローイングで表現:発想を形に投射

New Architectural Voyage
Quartz(新建築未来紀行)

ガラスのボリュームが三層重なる構成でデザインしたコンサートホール、美術館、商業施設の複合施設です。

「都市のアクティビティを建築へ埋め込む」イメージで設計しました。

デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー:YDS

・揺らめく自然

・有機的ヴォイド

・道空間

・都市広場

・多様なる共生

3つのガラスのボリュームが相互に生み出す余白が、有機的ヴォイドとなり、都市空間に働きかけます。

そして、都市の風景が、ガラス面に映り込み、多様なる共生を生み出します。

今回は、デザインの発想をドローイングで表現します。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

コンクリート打ち放しの強固なコンサートホールが、「建築のコア」として配置されます。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

その周囲に、フォワイエの空間が取り巻きます。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

フォワイエの空間が一気に広げられて、平面形状を正方形から菱形に変容させました。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

さらに、このフォワイエの空間を広げる操作を、平面上一辺を固定して行い、別のヴォリュームが生まれました。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

これら2つのヴォリュームを積層・スタックさせて、建築の形が少しずつ出来てきました。

その後、ボリューム模型で様々なスタディを進めながら、3つ目のボリュームを検討しました。

その結果、3つ目のボリュームは、1つ目のボリュームと同一の形状としました。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

これらの3つのボリュームを積層させ、出来るだけ柱の本数や大きさを抑えて、構造設計しました。

Yoshitaka Uchino

「ガラスの箱」を実現するために、
鉄骨の柱は、出来るだけ補足しました。

そして、シンプルなガラスの建築が生まれました。

透明度の表現と空間構成

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

今度は、コンセプト・ドローイングを作成して、この建築のデザインの根幹を表現しました。

中央の「建築のコア」となる、コンクリート打ち放しのボリュームは、濃く表現しました。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

コンクリートのボリュームの周囲につくったガラスの箱は、透明度を上げて表現しました。

Yoshitaka Uchino

透明度によって、
空間構成を明確に表現しています。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

線画で表したのが、上のドローイングです。

New Architectural Voyage
Quartz:Concept Drawing(新建築未来紀行)

線画では、素材の強さを表現するのが難しいですが、シンプルで分かりやすいドローイングです。

これらのイメージを頭に浮かべながら、スケッチしたり、スタディ模型を作成しながら、設計を進めてゆきました。

そして、途中から、これらのコンセプト・ドローイングを作成して、デザインを深化させてゆきました。

New Architectural Voyage

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