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傾斜面の研究施設と会社のアイデンティティーの具象化

今回は、丘にある傾斜面に計画された製薬会社の研究施設の話です。
斜面を活かし、流れる水に身を任せるような心地よい研究のための空間をつくることを目指しました。
デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー:YDS
・揺らめく自然
・有機的ヴォイド
・道空間
・都市広場
・多様なる共生
私たちの5つのフィロソフィーの中で、揺らめく自然と有機的ヴォイドをメインコンセプトとしました。

北側のFlowing Waterは緩やかに建築へ向け流れ、滝となって建築にたどり着きます。

5階の水面へ向け、大きく跳ね出したテラスは、まるで水の上に浮遊しているかのような感覚になります。
この研究所は、会社のアイデンティティーを具象化することを目論みました。
急傾斜にそっと配された断面が台形のボリューム。
このシンプルなデザインが、水面と融合して「環境建築」となります。
静謐な「水に包まれた」研究空間:傾斜地を活かした水の流れ

斜面の水の流れは、この建築の設計に合わせて人工的に作成した水面です。
急傾斜の地である特徴を最大限活かすことを考えた結果が、この水面の流れと建築の一体化でした。

南面のファサードはやや傾斜し、太陽光を遮ることにより、エネルギー効率を高めます。

そして、Flowing Waterへの素晴らしい眺望を各階にもたらします。

研究所の内部空間は、「水に包まれた」ような空間となります。

計画地の特徴をできるだけ活かした、シンプルで科学的なデザインは理想的な研究環境を生み出します。
そして、働く方々の士気の向上に大きく役立つでしょう。
