前回は「空に向かって花開くイメージのコンセプト・ドローイング〜内部スラブと外部スラブの表現の変化・透明度によるシンプルな差異〜」の話でした。
都市空間に刺激を与える複合建築:都市のアクティビティを建築へ

今回は、コンサートホール、美術館、商業施設の複合施設の建築に関する話です。
コンサートホールの新たな空間を作り出すために、都市での様々な活動を重ね合わせることを考えました。
そして、それらの活動を、都市空間に刺激を与えるような一つの建築に包み込むことを目論見ました。
いわば、「都市のアクティビティを建築へ」というイメージです。
コンサートホールや映画館へ行くときには、音楽を静かに聞いたり、

映画を落ち着いて見れるような
静かな空間が望まれます。
そして、ホール周辺の空間が美術館や商業施設と繋げられると、活気づいた都市空間が生まれます。
・揺らめく自然
・有機的ヴォイド
・道空間
・都市広場
・多様なる共生
「5つのフィロソフィー」のうち、「有機的ヴォイド」、「道空間」、「多様なる共生」を重視したデザインです。


「鋭利なイメージ」のガラスの箱を積み重ねて、都市のランドマークとなることも目論みました。
都市の有機的ヴォイド:「都市の余白」が生み出す未来


コンサートホールは、厚いコンクリート打ち放しの箱の内部に置きました。
都市空間から隔絶した静かで落ちついた空間を作り、周囲のガラスで覆われた空間が美術館や店舗になります。


ガラスで覆われた空間は都市の廊下のようになり、



都市の有機的ヴォイドと
なります。
そして、一部の空間が都市に向かって広げられたとき、広場のようになります。


周囲の四つの頂点のうち、三つの頂点を都市へ向けて広げるデザインは水晶のようなシャープな空間を作ります。
そして、躍動感あふれる「都市の道空間」となります。


二つのタイプのこれら3つの空間を重ねてつくられる躍動感ある建築は、都市のアクティビティを刺激します。
三つのヴォリューム同士の間の空間は、「都市の余白」となります。



そして、これらの「都市の余白」が
都市の結節点にもなります。


そして、この建築は新たな「都市のシンボル」となるでしょう。