空に向かって花開くイメージのコンセプト・ドローイング〜内部スラブと外部スラブの表現の変化・透明度によるシンプルな差異〜|Physical-Flower2・ドローイング

前回は「空に向かって花開く集合住宅〜生命を吹き込むイメージ・スラブを支持+空間を分節する壁面〜」の話でした。

目次

空に向かって花開くイメージのコンセプト・ドローイング

New Architectural Voyage
Physical Flower(新建築未来紀行)

花びらが開いたような有機的な形状の壁面が特徴の集合住宅をデザインしました。

New Architectural Voyage
Physical Flower(新建築未来紀行)

生命を吹き込むイメージであり、建築が空へ飛翔してゆくようなデザインです。

New Architectural Voyage
Physical Flower:Drawing(新建築未来紀行)

今回は、このPhysical Flowerのコンセプト・ドローイングの話です。

積層するスラブを、空に向かって開いてゆくような壁柱が貫入します。

Yoshitaka Uchino

スラブを抽象化するために、
半透明な表現としました。

内部スラブと外部スラブの表現の変化:透明度によるシンプルな差異

New Architectural Voyage
Physical Flower(新建築未来紀行)

この建築では、空に向かって広がってゆく壁柱によって、様々な形状のテラスがあることが特徴です。

Yoshitaka Uchino

外部に大きく跳ね出した
スラブによる外部テラスが特徴です。

普通は、壁は下にゆくほど大きくなりますが、この建築デザインでは、上にゆくほど大きくなっています。

Yoshitaka Uchino

普通の壁柱とは、
真逆のデザインです。

ただし、単に「壁面が上にゆくほど大きくなる」のでは、構造的に大変不合理になります。

そこで、「壁柱の正味の構造体は上にゆくほど小さくなる」ように考えました。

Yoshitaka Uchino

広がってゆく壁柱の
厚みが、上にゆくに従って薄くなります。

New Architectural Voyage
Physical Flower:Drawing(新建築未来紀行)

内部空間のスラブ、外部空間のスラブ(テラス)を明確に分けて表現したいと考えました。

Yoshitaka Uchino

同じスラブなので、
色は変えずに同一の白としました。

New Architectural Voyage
Physical Flower:Drawing(新建築未来紀行)
Yoshitaka Uchino

そして、透明度を変化させて、
内部と外部の差異を表現しました。

透明度を変化させて、「内部と外部の違い」を区別するシンプルな表現を考えました。

New Architectural Voyage
Physical Flower:Drawing(新建築未来紀行)

この「透明度による差異」によって、コンセプト・ドローイングはシンプルで美しくなりました。

上のドローイングは、建築を上部から見下ろした画角であり、「全体平面図」のイメージです。

Yoshitaka Uchino

上に向かって開いてゆく
壁柱と同様に・・・

Yoshitaka Uchino

周囲に向かって開いてゆく
スラブが綺麗に表現されています。

このコンセプト・ドローイングは、要素をかなり削ぎ落としたシンプルなドローイングです。

いわゆる平面図ではなく、すべての建築の平面を表した「全体平面図」のドローイング。

コンセプト・ドローイングには、ぴったりの画角と考えます。

「揺らめく自然」が、とてもよく表現されたドローイングと思います。

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