デザインとコストダウンのアイデア 6〜茨城の家の軸組 4〜|東京の建築設計

前回は「デザインとコストダウンのアイデア 5〜茨城の家の軸組 3〜」の話でした。

茨城の家:軸組模型

構造のコアを作ることで、耐震性能を高めるとともに、梁せいを抑える構造計画としました。

梁せいを出来るだけ、均一にしましょう。

シンプルになって、コストダウンになりますね。

木造軸組のコストは、大きくは木材の容積・体積である「材積」で決まります。

梁せいを抑えることは、「材積を小さくする」ことにつながり、コストダウンになります。

しかし、このコストダウンは、「小さくなる材積」の全体に対する割合が軽微なため、大きな影響にはなりません。

工事で大事なことは、材料の質や量に目が行きがちですが、実は「工事する方々の費用」も大事な要素です。

茨城の家:軸組模型

梁せいを出来るだけ均一にして、
工事を合理化しよう。

工事が、しやすくなりますね。

梁せいを出来るだけ均一にすると、
設計も合理化できる。

設計の際には、仕上げて作る空間だけでなく、配管や配線の計画も大事です。

特に、木造戸建住宅では、レンジフードなどのダクトの通る経路を考えることが大事です。

茨城の家:軸組模型

コア周囲には、筋交を沢山入れました。

このコアで、頑強に建築を支えます。

こうして、構造設計担当者から、柱・梁などの構造部材のサイズの変更が行われるたびに、図面が送られてきます。

だいぶ均一化できてきた。

構造上、「どうしても大きな梁が必要」な部分はありますが、出来るだけ「梁せいを揃える」ことに成功しました。

茨城の家:軸組模型

今は、柱・梁はプレカットと言って、工場で機械が製作するので、梁の大きさは「入力するだけ」です。

ですから、「構造のシンプル化」によって、柱・梁のコストは大きくは下がりません。

しかし、工事を請け負う建設会社としては、シンプルな方が良いのです。

そして、「シンプルで管理しやすい」工事であれば、検討すべき事項も少なくなり、省力化につながります。

構造の合理化・シンプル化で、
コストダウンできた。

構造だけでなく、工事全体に対しても、コストダウンとなり、大きな合理化が出来ました。

新建築紀行

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