住宅の外構と庭のデザイン〜都市と建築の結節点・庭のイメージと詳細設計・住宅内部から見える庭のデザイン・開放的で住まいと繋がる庭の空間〜|熊本の家のプロセス6・東京の建築設計

前回は「デザインコンセプトが明快なコンセプト模型〜空間のイメージを表現・アクソノメトリックとパースペクティブ・子どもたちが書物に親しめる大きな木の本棚〜」の話でした。

目次

住宅の外構と庭のデザイン:都市と建築の結節点

熊本の家:庭とコンクリート打ち放しの壁(新建築紀行)

住宅を設計する際は、住宅だけでなく外構・庭の設計・計画も重要です。

住宅と外構合わせて「一つの建築」となります。

新建築紀行
熊本の家:外観(新建築紀行)

白い箱の外観とテラスのヴォイド、そして薄い板が浮遊したようなガレージが特徴の熊本の家。

シンプルなデザインの建築なので、
外構や庭もすっきりシンプルにしようと考えました。

住宅設計の場合は、敷地と建物の間に生まれる「余白」の一部が庭や外交となります。

この「都市の余白」は「都市と建築の結節点」でもあり、建築にとっても街・都市にとっても大事です。

計画地が比較的広い熊本の家では、住宅と道路の間に広い庭を作りました。

ちょうど「2台分のガレージと隣り合う」形で庭を配置して、

小さな子どもたちや
ご家族で楽しめる庭を作りたいと思いました。

庭のイメージと詳細設計

熊本の家:模型(新建築紀行)

設計時に、外構計画も並行して行います。

外構における建築物・構築物や樹木の種類など、ある程度決めておきます。

確認申請とは無関係であることが
多い外構は、工事中の変更が多いです。

まずは、ベースとなる
費用は着工前に決定しておきます。

実際は、設計→コスト調整→建築確認等申請→着工の過程では、結構バタバタしてしまいます。

外構の詳細を詰めてゆくのは、
多くの場合、工事中です。

新建築紀行
熊本の家:1/30模型(新建築紀行)

この時は、1/30の模型に外構模型を足してゆきました。

樹木や花なども作ってみると、
イメージが湧きます。

作り込んでみるとイメージがどんどん膨らんできます。

私たちは、個人邸の外構では「塀を設置しない」ことが多いです。

新建築紀行
豊島の家:夜景(新建築紀行)

熊本の家では、まだ小さな子どもが多かったので、

うちの子たちは元気だから、
庭から道路に走っていってしまうかも・・・

建主のご家族が安心して過ごせるように、庭と前面道路の間に塀を作りました。

シンプルな白い箱の外観デザインに合わせて、コンクリート打ち放しの壁面としました。

住宅内部から見える庭のデザイン:開放的で住まいと繋がる庭の空間

熊本の家:1/30模型(新建築紀行)

庭のレイアウトは玄関やリビングから、すぐにアクセスできるようにしました。

この模型のように、人やテーブルを作って置いてみるとリアリティが出ます。

建築と
庭が一体になったイメージです。

当初は、元気な子どもたちが、庭から道路の方へ行かないように側面にも低い壁を計画しました。

この模型を見て、建主も喜んでくれて、

CGもいいですけど、
模型って、やっぱりいいですね!

この側面の塀はなくても、
大丈夫かな・・・

子どもたちが「勝手に出て行かない」ように、とても低い塀を計画していましたが、

ない方がシンプルでおすすめですが、
お子様は大丈夫ですか?

ここに植栽があれば、
子どもたちは大丈夫だと思います・・・

それでは、ここは低い塀をなくして、
植栽にします。

熊本の家:1/30模型(新建築紀行)

また、リビングからは庭の樹木が見えて、借景になります。

前の道路から、リビングが
見えすぎないようにお願いしましたが・・・

こうして、庭の
樹木が見えるのは良いですね!

東側の正方形のFIX窓は「庭を眺める」ための窓です。

こういう大きな模型を見ていると、
建築が生き生きとしてきます。

そして、外観デザインでは、この「正方形のデザイン」が全体を引き締めます。

この模型を見て、建主はどんどんイメージが
膨らんだようです。

新建築紀行
熊本の家:庭(新建築紀行)

このように建主とのやりとりを経て、最終案となりました。

最終案は、この模型の案から少し変更となりました。

樹木の種類・高さ・配置も出来るだけ模型に反映すると、非常に分かりやすいです。

完成写真は、下記からご覧ください。

新建築紀行

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