豊島の家 8〜戸建住宅の工事現場・筋交と金物工事・柔構造・剛構造〜|東京の建築設計から

前回は「豊島の家 7〜戸建住宅の工事現場・屋根防水工事・FRP防水の皮膜〜」の話でした。

目次

筋交と金物

今回は、筋交と金物を入れてゆく工事です。

前回、屋根の防水工事をしましたが、工事中はしばらく養生しておきます。

豊島の家:屋根防水工事(新建築紀行)

上棟の際に組み上がった柱・梁に筋交と金物を入れてゆきます。まずは構造設計図書に従って、筋交を入れてゆきます。

豊島の家:筋交工事(新建築紀行)

そして、柱と筋交の交差する端部に金物を設置してゆきます。

豊島の家:金物工事(新建築紀行)

金物も構造設計図書で詳細に設計されているので、位置・種類は様々ですが、しっかりと着実に設置してゆきます。

豊島の家:金物工事(新建築紀行)

金物は2mm程度のスチールで、錆防止で合金メッキ処理がされています。

いかにも
頑丈な感じです。

金物にも、いくつか種類があります。

羽子板ボルトと呼ばれる金物で、
柱と梁をしっかりとつなげます。

豊島の家:金物工事 (新建築紀行)

柔構造と剛構造

建築の構造には大きく分けて、柔構造と剛構造があります。

柔構造は、文字通り
柔らかくしなやかな構造です。

日本古来の木造軸組は、本来こちらの構造となります。

地震などの揺れや風圧などの外力に対しては、木材特有の「しなり」でエネルギーを分散させます。

少し揺れながら、建物の構造には影響しないような考え方です。

阪神淡路大震災・東日本大震災等の震災を経て、木造の構造もどんどん強化されました。

そして、現在の建築基準法の構造に合わせるには、非常に多くの金物を使います。

練馬の家のリノベーションでも多くの金物で既存構造を補強しました。

金物のため、多くの木造建築は「柔構造と剛構造の間」のような構造になっています。

私たちが設計する際は、耐震性能取得に関わらず、基準の地震力よりも大きく上げた基準で構造設計しています。

万が一大地震が来ても
「絶対に大丈夫!」な構造です。

次回は、金物工事の続きです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。


新建築紀行

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