前回は「茨城の家 10〜家の工事の流れ・屋根・外壁工事・ガルバリウム鋼板・透湿防水シート〜」の話でした。
大きな正方形ガラスブロック
外壁下地の工事が進む中、このデザインで特徴的な大きなガラスブロックを施工します。
茨城の家では、吹き抜けに面する外壁に大きな正方形のガラスブロックを2つ設置しました。
普通のガラスではなく、ガラスブロックにした理由は2つあります。
吹き抜けに面する外壁が南東側に面しており、広い空き地があるため、強い日差しが入ります。
そこで、日差しを和らげ、
柔らかな光のイメージを考えました。
日差しを和らげると同時に、夜はガラスブロックから内部の照明の光がこぼれ落ちます。
ガラスブロックの光が、
都市を照らすイメージです。
この二つの理由から、
ガラスブロックを配置しました。
ガラスブロックの面は出来るだけ大きくしたいので、柱から柱まで目一杯にしました。
そして、ガラスブロックによる「光の壁」を「象徴的な光」にしようと考えました。
そこで、ガラスブロック面を「対の正方形」にしました。
ガラスブロック工事
これだけ大型のガラスブロック面の施工は大変そうです。
ガラスブロック工事が始まりました。
まずは、ガラスブロックを納めるためのアルミのサッシュ枠を壁面に設置します。
そして、ガラスブロックを一つずつ施工してゆきます。
ガラスブロックは一つの面あたり13×13=169個で、これが2面です。
個数が多いため、細い鉄筋で面を小さく分割して慎重に施工してゆきます。
ピンク色の細い糸が見えます。
糸を張って「水平をきちんととりながら」
丁寧に施工してゆきます。
ガラスブロック同士の間にはモルタルを薄く塗って、ブロックを固めてゆきます。
まさに
職人芸ですね。
具現化する空間イメージ
大きなガラスブロック面をデザインした現代建築は、たくさんあります。
その中、初めての作品で「大きなガラスブロック面」を「ガラスブロックの壁」として考えました。
ガラスブロックを透過する自然光は、淡くゆらめきます。
そのイメージを、ガラスブロックの工事を見ながらイメージしました。
そして、具現化してゆく
空間をイメージしました。
次回も、ガラスブロック工事が続きます。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。